2012年4月22日日曜日

明日までおあずけ





イースターのプレゼントにもらったチョコ
たった一枚を
神棚に上げたまま
桜の満開の日々も過ぎ越して
青葉若葉のふつふつと
萌え出る日々

そろそろ神棚からチョコを下ろし
ウサギの顔の漫画が印刷された銀紙を剥いで
食べようと思ったら
あ、あの用事
あ、この用事
思い出し
立ち働くうちにまた夜々が更ける

質もよくない一枚のチョコが
食べてしまうにだんだん惜しく
まるで大事なものでもあるかのように
奇妙なオーラを帯びてくる

今夜も更けて
もう二時半
用事を片づけホッとして
ふとカーテンを細めに開けて
見てみる家の前の桜木
染井吉野の後に咲く
まだまだ若い八重桜
それが静かに闇に立ち
白いともない
紅いともない
静かに慎みぶかいまま
凄いというべき
立ち姿

カーテンを締め
小灯を
ポツッと灯し
なにもない机にむかい
夜の更けの
まなざしを所定めずに
放ちつつ
あ、あのチョコ!
イースターのプレゼントにもらったチョコ!
たった一枚を
また食べなかった!

明日までおあずけ
他のたくさんのことと
いっしょに


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