溜 溜 溜

待ちぼうけの

小花

　（ちょっとむこう

　（植え込みに

　（いっぱいだった

　（小花たち

名を名乗れぃ！

あったかい

疾走後のフェラーリに

寄りかかり

カフェラテ

　（円筒形の紙容器入りの

　（コンビニで

　（急遽

　（しかたなく買った

　（やつ

ストローで

ずずず

飲んでいる

時間

ぽっかーん

と

青空

　（こんな時にはだれも

　（生きている

　（なんて

　（わざわざ思わず

　（今生の意味は

　（なんて

　（わざわざ考えず

東京郊外

フェラーリの持ち主

溜岡くんのご実家

父上今朝がた脳卒中で急逝

頼んでいた仕事の打ち合わせもあって

旧知の溜岡くんと

車でご実家までともに廻りつつ

車中で打ち合わせ

ご実家にて溜岡くんは通夜の手配

されど都心にべつの仕事もあるゆえすぐに戻り

それを終えてまた夕方にご実家へ

ということのようなので

溜池山王まで乗せてくれて

そこで降ろしてくれた

昼過ぎ

溜岡くん…

溜池山王…

あ、

似ているなぁ

と思ったが

最初の字だけでした

似ていたのは

でも

印象はつよい

つよいよ

溜

溜

溜

そんなに使う字でもないからね

溜

な日でした

こちらにとっても

溜

溜

溜