2015年4月19日日曜日

水さ

  

まよわない煙が
ブルーライト
流れて
窓辺にも
ほそい清流の
さざめき
遠い
思い
深い
色の思い出せない
花の原の
むこう
きみ
と言う
言っていた
頃の
途惑いのハイウェイ
そんなに
キャラメル
そう
スザンナ
路地から次の
塀沿いに
短いズボンも
鞄重くて
髪の香り
あゝビルだビルだビルだね
回っている広告塔
山並み
雨をタクシー
最後の煙草一本
出発ロビー
いつまでも待っている
赤い街道
横に長い雲が供
手帳
いちばん小さいのを
破って
新しい歌謡曲
次の歌謡曲
雑音
眩しいね
しわくちゃのハンカチ
番地
目の乾き
上着一枚だけ
風だ
案山子みたいな
あれは
葡萄の木々
未来を思い出している
のかもしれない
のかもしれない
過去は沼
思い出すまでもないから
まだ緑濃い
雑貨屋の扉の
塗装の
剥げ
ちょっとだけ
食べたい
薄いハムかなにか
挿めて
波の音が近い
じゃないはずなのに
ジンジャエール
いや
たゞの水で
いいんだけどね
水さ




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