もっとも悪い心根とはなんだろう
もっとも心の悪いありようは
とよく思う
ひとつを選ぶ必要もないし
さかしげに決めてみる必要もないが…
悪そうなことは
あれや
これ
いろいろ浮かぶ…
もちろん
悪いこととは?
という定義にも
ふたたび
迫られてくる
けれど
気にかかってしょうがないのは
評価者になろうとする欲望
他のものについて
他人について
とにかく評価してやろう
自分こそが評価者になろう
そんな態度
いやだな
と思う
もちろん四六時中
人は他人の評価ばかりして生きている
それが
対人的な心の自然の動きだから
小さなことから
大きそうなことまで
政治行動から
アイスの味選びまで
装いや
靴の合わせ具合
しゃべるときのちょっとした言葉選びから
もちろん
詩歌のトーン設定まで
けれど
あたかも自分の価値観や
美意識が
疑いようもない正統であるかのように
なんの逡巡もなく
他人をイイ/ワルイと評価する人たちを見ると
いやだな
と思う
あっという間に
その人たちの周囲に壁ができ
ハトが止まるのを邪魔する塀の上の棘のようなものが
壁から外にむかって繁茂するのが見える
いやだな
と思う
そうして
いつもながらに
何度も
何度も
夢見てきたように
他人を全く評価しない心とアタマに
憧れ出す
イイとも思わない
ワルイとも思わない
さらには
他人とも思わない
もう全く
他人を生きていない
そんな
心とアタマに
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