気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
行かなくなってしまった湿原から
靄は来続けている
たしかに私は非繁華街人
靄の着こなし方には長けている
6269
見えない煙草を
人差し指と中指に挟んで
桐島由希子から借りたまゝの唇に
この頃
よく運ぶのよ
6270
水をたっぷり吸った海綿のように
湿っているべき心
白磁の皿より
薄い金色の貝皿に載せて
裏に水滴が付き始める程度の
ほんのひと時を
初夏の
真みどりの細木の並びのように
良質の靄なら
生きる
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