だれにも届かないことば
というのが
ますます大事になってきている
そう感じる
スマホだの
タブレットだの
そんなパソコンもどきが
大量に巷に出まわったあげく
ものを書く仕事をしているのでもない
書くのなどそう好きでもないはずのひとびとが
四六時中
ことばを記して送ったり
写真を見たり撮ったり
映像を見たり撮ったりと
まとめて言えば
「表象」っていうやつの
享受だの
作成だの
送信だのに
まことに
いそがしい時代となった
ことばやその他の表象には
子どもの頃からかまけていたので
ご多分に漏れず
それらをよく見ているけれども
そうしながら
痛タタタタ!と
痛切に感じるのは
SNSなどでミニことばを書くひとたちが
つねにSNSに
SNSという部落に
SNSという世間に
媚びて書いてしまっている
ということ
いつも
見てもらおうとしている
読んでもらおうとしている
だれかに届かせようとしている
ひょっとして
誤解されるんじゃないか?
過小評価されるんじゃないか?
貶されるんじゃないか?…………
そこが臭い
かっこわるい
ああ、ダサい
そんなことでは
ことばは
指先で文字になっていく途端に
想定されるっぽい読み手を相手にした幇間にしか
ならない
あるいは
電波芸者?
電子文字や
電子表象を使いながら
そこまでして
幇間になりたいのだろうか?
電波芸者になりたいのだろうか?
いつかは名取りになり
師匠にも
なっていきたいのか?
どうして
だれにも届かないような
届いたとしても
どう受け取られても
無視されてもいいような
無責任この上ない
言いたい放題の
わけのわからないことばを
ポイ!と
電子界隈に投げ出したりしないのか?
だれにも届かないことば
読まれる気もなければ
理解なんてこの世でもあの世でも
あり得るわけないでしょ?
と悟り切ったところから出てくることば
お化粧もしなければ
語法も文法も適当なことば
かといって
「超越」とか「アバンギャルド」とか
「新しい」とか「すごい」とか
そんな中二病に冒されてもいないことば
どうして
そんなことばを
投げ出さないんだか
せっかくの
無限の電子界隈だというのに
無限の電子海や
電子森だというのに
電気が泣くぜ
電波が泣くぜ
周波数が泣いちゃうぜ
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