六月三十日は夏越しの祓ということで
近所の神社三社に行ってきた
一年も
すでに半分が過ぎて
人間はだれもが
たっぷりと汚れを負っているそうなので
それを六月の終わりに祓っておこう
ということらしい
世界を見わたせば
いちばん汚れていそうな者たちほど
汚れを祓ったりはしないので
小心で自己罪障意識の強い者ばかりが
夏越しの祓にも
わざわざ出かけていくのか
有名で人気のある東京大神宮は
やはり混んでいて
ずいぶん並んでもいたので
茅の輪くぐりもせずに
脇から感謝礼拝を軽くした
この神社の茅の輪は
すでに何日も前にくぐったので
大丈夫といえば大丈夫
うちの土地神の神社のほうは
茅の輪なども作っていないのではないか
と思いながらも行ってみると
立派な茅の輪がちゃんとできていて
しかも地元の者しか知らない神社なので
参詣者がひとりいただけだった
茅の輪くぐりをし礼拝もゆっくりできて
これはこれでよかった
いちばん有名な神社の靖国神社には
茅の輪は作られていなかった
日本国家守護のために死んだ霊を祀る此処では
そういうことはしないことになっているのか
よくわからないが
いつも混んでいるのに
なぜかこの日は人が少なかったので
ふつうに神殿で礼拝をした
いま靖国神社で目に入ってくるのは
十三日からの「みたままつり」の準備のようすで
参道の両側にパイプ材が組まれて
黄色い提灯をたくさん付けるための
電球ソケットがすでにいっぱい下がっている
二週間後の土曜日から四日間続くので
だんだんと雰囲気が出来上がってくる
ほんとうに七月に入ると
東京はいろいろな夏の祭りや催しで
毎週毎週いそがしくなっていく
ぜんぶを見てまわることはできないが
ある程度は見に行ってみるかどうかで
東京の人間かどうかがわかる
東京のアイデンティティを持っていない者は
地元の花火に出かけるぐらいだろうが
東京人たる意識を持つ者は
けっこういそがしくまわって歩く
葵祭や祇園祭の京都に負けない東京魂は
こういうところでの浮かれぐあいで発揮される
まずは六日から八日の入谷の朝顔まつり
次に九日から十日の浅草のほおずき市
そうして十三日から十六日のみたままつりとなり
近所のことでいえば
二十四日から二十五日には千鳥が淵で灯籠流しがある
うちから十分の靖国神社には
たぶん今年も毎晩出かけることになるだろうが
入谷や浅草にも一日くらいは
ふうらりと歩きに出ることになるだろう
燈籠流しの夜は
馴染みの落語家の寄席と重なるので
どうしようかとちょっと悩むのだが
雨が降らなければなんとか一日ぐらいは
千鳥が淵に見に行けるかもしれない
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