どれほど
わたしわたしわたし…と
言い続けたら
ひとはおのれのあまりの空無さに
ほんとうに
立ち直れなくなるほど
気づくのだろう
だれがいうわたしも
じつはまったく同じ
ぺらぺらのわたしで
そのぺらぺらをいくら被りつづけても
いくら力をこめて
声をかぎりにこの三音を叫んでみても
空無さはまったく埋ることなく
なにひとつ
はじまることもなかったかのように
なされたこともなかったかのように
生きられた時間も空間も
感じられたことも
考えられたことも
はじめからおわりまで
どこにもありはしなかったかのように
いつのまにか
ふいっと
終わりが来るだけなのだと
終わりが来るだけなのだと
気づくのだろう
立ち直れなくなるほど
ほんとうに
ひとは
おのれのあまりの
空無さに
おのれのあまりの
空無さに
わたしわたしわたし…と
どれほど
言い続けたら
0 件のコメント:
コメントを投稿