そろそろ複数の路を同時に

 

人はつまらない

外部刺激に頼ってばかりだ

選ぶものがアレであれ

惹かれるものがコレであれ

外にあるもの

外から来るもの

に

動かされ続けるばかり

動かされたがるばかり

人から意識を逸らせるだろうかと

やってみれば

できる瞬間もある

人以外のどんな物からも

逸らせる瞬間さえも

緑色でない緻密な森に入り込んだことがある

心底怖くなって引き返したが

意識の狭路を辿っていくと

思いもしない時にそこに行き着いたりする

その時

自分の意識の中を進んでいるのはわかっているが

どこまでが識別できる道で

どこからが自分でもわからない自分内部か

だんだんわからなくなる

そんな路をかなり深くまで行ったことがあったが

これ以上はもう戻れなくなると強く感じ

進むのを放棄した

路は物語の様相を呈していた

だから

書き進めないで中断した物語がある

いっぱいある

もう戻れなくなってもよい人生の時節なので

そろそろ複数の路を同時に辿ろうと思う