天皇体位、天皇体位…
と聞こえるので
そうか
どんな体位で…
と勝手に働き出す想像力に
ついて行きそうに
なったが
あれは中学の頃
偶然にテレビで見た外国映画
『大尉の娘』*の雰囲気に
えらく引き込まれて
難しそうな
ちょっとお高くとまっていそうな
岩波文庫の『大尉の娘』まで
買ってしまって
しばらく
プーシキンの世界に没入して以来
タイイ
と聞くと
独特の反応をするように
なってしまっている
ぼくの意識が
体位方面への想像力の疾走にブレーキかけて
プーシキンへ
プーシキンへ
引き戻されていく
ぼくの丸ごと
まだ
シーチキンもなかった頃
プーシキンへ
大尉方面へ
傾斜を強める
十三歳か
十四歳のぼく
岩波文庫を肩掛け鞄の隙間に滑り込ませながら
まだ
決定的なことは
なにも起こっていない
なにも始まっていない
うつくしい
空虚を
どうしようもないほどの若ささえ
自覚しないで
走り出すところだったよね
よね
*『大尉の娘』(マリオ・カメリーニ、1947、イタリア映画)
La figlia del capitano (Mario Camenni 1947)
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