主張が立ちはだかっていた
藁葺屋根
ではないが
よく似た印象のある
体育館ほどもある製氷室の
奥の一画
トナカイの(水口君から貰った)カードを
机のどの引き出しに仕舞ったか
忘れてしまったことに
30年もして気づく
ひとりで北国に住んで
もう
長いなぁ
と
あす
赤道近くの
縁もゆかりもないリゾート地に
行ってみる意志に
急に突き動かされながら
心のなかで
演技過剰に内的独白してみる
(せめて「つぶやいてみる」ぐらいに
(しておけばいいのに
そんなところに
立ちはだかっていると
いつまでも
凍ったままだぞ
と
主張に言ってやろう
そのためには
防寒のために三重にしてある
どれも重い厚いドアを
ひとつひとつ
ていねいに開けることから
始めなければならない
本当のコミュニケーションには
どれにも
重い厚いドアがある
主張など
凍ったままにさせておくほうが
賢明な選択かもしれない
そんな場合がいっぱいあり
現場というものが
いつも
主体なのだ
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