追い炊きにしたまゝ眠りにうすく落ちて行ったか……
オアシスの
どこか熟した果実臭をうっすら漂わせながら
いまだ成就しない
幼時のあこがれのひとつふたつが
隊商となって
通り過ぎていったようだった
こちらに
生きているのか、まだ?
と
だれかに
言われたような……
白い白い浴室にいるので
もう
求めるものはなにもないと断言できる
一体の人体を包み込んで
湯はいま
霊をひとつ備えた肉体のようではないか……
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