オリンピックを見ていると
試合が終わったあと
選手へのインタヴューがひどいな
と思うようになった
勝った選手には
以前からインタヴューしていたと思うが
負けた選手にもインタヴューするというのは
以前はあまりなかったことではないか
選手たちもずいぶん巧みに
自己分析をしてみせて
応援してくれた人たちへの感謝も織り交ぜて
インタヴューのされ方がうまい
見ていてひどいものだと思う
インタヴューのされ方の練習もやっているのだろう
一定の型ができていて
とにかく周囲への感謝表明が尋常ではない
自分の演技の分析をしてみせているといっても
よく聞いているとじつは型に嵌まっていて
ほんとは大したことを言っていないのだが
知的に自分でちゃんとわかってます的なプレゼンがつらい
試合の終わった直後でそんな分析が知的にできるなら
分析できるだけのエネルギーをもっと試合に注ぎ尽くして
試合後には言葉などしゃべれなくなるぐらいに
もっと力を出し切れよとさえ意地悪に思ってしまう
ほんとなら嬉しかったとか悔しかったとか
涙が出てしどろもどろになってしまって
とてもしゃべるどころではない状態でいいと思うが
自分を客観視してプレゼンできるふりを強いられている
支えてくれた人たちや応援してくれた人たちに
まず感謝の言葉を言うとか言わなければならないというのは
全力を出し尽くすはずのスポーツ選手たちにとって
なにか途方もない間違った道に嵌め込まれている気がする
産卵を終えて打ち上げられたサケたちにでも
インタヴューしているように見えてしかたがないのだ
どうでした? うまく産卵できたと思いますか?
ええ、もうちょっと小石を深く掘れればよかったと思います…
メスが生み落とした卵の上への射精はどうでしたか?
はい、まあまあうまくいったと思いますが、ちょっと逸れたかな
でも二度目はないわけですから、やるだけのことはしました
一尾でも多く孵ってくれるよう願いたいと思います……
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