日本で流行した英語のポップスには
英語そのもので聴きとらないと
内容どころか
全体のイメージ自体を誤解してしまうものが
ほんとうに多い
そのうちでも極めつけが
オリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑」で
彼女のこのデヴュー作は
日本では
やわらかな恋愛心情を歌っているもののように
紹介された
しかし
しっかり英語の歌詞を聴くと
内容はまるで違う
自分より若い女の子に
女性が助言を与えているような歌詞になっていて
自分の内面に見出せる心地よさや
慰めに気づき
自分自身の歌を歌いなさい
と勧めている
オリビア・ニュートン・ジョンは
英語圏では
最初から「先輩のお姉さん」として歌うスタンスを
とっていたことになる
ここが
他のポップス歌手と大きく異なる
彼女の立ち位置だったが
こんなこと
ぜんぜん知らずに
やわらかい歌いっぷりの
表層だけ
ほわほわと聴いて
ごくごく若い頃のぼくは
春の野原や
みどりやわらかな木々のあいだを
まだ
まったくかたちをなしていないからこそ美しく
すてきだった
未来というものの幻影とともに
夢の中に浸り切っている者のしあわせを
ほわほわ
生きていた
ほわほわ
ほわほわ
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