また午前三時
と思うが
わたしの時間は
もう
数字通りに経ていかない
午前三時を時針が過ぎるやいなや
きっと
時計は午後十二時二分を指す
さあなにか食べようか
なにを食べようかな
生徒たちが建物の中に入るので
遠くない小学校では
ふっと校庭が静かになる
かちゃかちゃ音がするのは
給食の食器がぶつかって鳴る音
午後十二時三分になろうとすると
きっと
時計は午後四時十分を指す
仕事はまだ終わらないが
もう一日は終わっていくような感じ
ちょっと休息に出た戸外は
夕方のひかりに移ろうとしている
日射しのまだ強いような
淡くなっているような
夕方は人生に朱が沁み通ってくる
さびしくはないが
がむしゃらに一からなにか始める力は
だいぶ目減りしてしまっていて
午後四時十一分になろうとすると
きっと
時計は午前五時五十九分を指す
都会はまだ始まりきっていないが
遠くまで行かなければいけない人たちは
もう電車に乗っている
まだ出勤しなくていい人たちも
そろそろ目が覚め始める頃
とにかく
今日も生きねばなるまい
あれをああやって
これは結局どうしたらいいか
そうそう
そっちのはどうするべきか
1の次は2
2の次は3
3の次は…という順番で
時間が進んでいくのだということに
しておく
とりあえずは
いい加減
もう長く生きてきたのだもの
時間が
世の中の申しあわせ通りに進んでいくなんて
けっしてないことは
もう
よくわかっているけれど
一時
二時
三時…
それはそれで
まぁ
いいさ
いい加減
もう長く生きてきたのだもの
時計には
廻らせておく
こちらの時間とは
ずいぶん違うのだとしても
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