駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2013年10月6日日曜日
ミカンがまだ
夜にひとりで台所に立ってミカンを剥いている
お湯を沸かしながら
ヤカンで沸かしながら
壁の端に寄りかかっている
少なめに明かりを点けているので
明るいところと闇とが
ところどころにできている
手を見るとてのひらが透き通っている
足もとを見ると膝の上まで足がなくなっている
立っているんだけどな
でも
かまわない
たいしたことではない
お湯を沸かしながら
壁の端に寄りかかっている
ミカンが
まだ
剥けきらない
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