1000余行詩走・26200字詩走
1996年版制作の後、失われていった多くのものたちへの鎮魂のために
「ごらん、あれが竜飛岬。北のはずれさぁ」
隣りの小母さんが言うので目を凝らしてみる。
ガラスはわたしの息で、さぁっと曇り、綿の薄幕のような白いやさしさの中に、たちまち、なにも見えなくなってしまう。
指先で拭いてみると、ガラスのおもての水の滲みのむこう、海が見え、はるか遠くに岬らしいものが霞んでいる。
遥かさも霞みもやさしい。
なんてさびしく幸せな、今のわたし。
わたしは、わたしの悲しみとさびしさに会うために生まれてきた。
今、さらに北へ行く。
さらに北の悲しみとさびしさのほうへ。
恍惚…
はるかに霞む、人類の、いっそうの悲しみとさびしさのほうへ向かうしあわせ…
聞こえ続けている歌…
にっぽんの一時期、(まだにっぽんがあった頃…)流行った
歌に似て…
……ゴラン、アレガ竜飛岬
北ノハズレ、ト
見知ラヌヒトガ、指ヲサス。
息デ曇ル、窓ノがらす
拭イテミタケド、
ハルカニ、
霞ミ、見エルダケ…………
(ふふふ、
(著作権サン、
(この表記、
(どう、する?
(どう、とらえ、る?
(ふふふ、
(表記自体はあたしのオリジナル、
(意味の流れは、著作権サンの、もの?
(ふふふ、
まだわたしも生きているかのような…
(…点、…点、…点、…いっぱい
(使おう、昭和の終わりから平成に入って
(小奇麗な技術主義があらゆる領野で進んだ頃に
(古いかのように隅に押しやられ
(蔑せられ捨てられた数々の表現、表現のかたち、口ぶり、
(それらを取り戻すために、
(取り戻すためなら、なんでも使おう、点、点、点、…
(平成をまるごと捨てるように
(昭和の終わりの感受性、思考のしかた、までも、
(まるごと捨てるように
まだわたしも生きているかのような…
はじめ、
かたくて、いい、
慣れなさ守り、
ぎこちなく、
抽象的、いい、
銘。
ジュール・ラフォルグ。
(はじまるために
(はじまるために
(そろそろね、かたちだけでも…(点、点、点、テン、…
吉田健一訳で。
〈何かもっと別な主題を、
〈もっと危険で高級なものを見つけなければならない。
〈我々が住んでいるこのありのままの世界で、
〈私はもっと危険なのを作ることにしよう。
ことばは
危険で
今日じゅうに食べちゃったほうが
いい桃
熟れきってル
こころの皮やぶって吸ってやらないと
存在界ぜんたいが黄昏ル
(それに身をあわせ、
(生き残るもの、
(生き残らないもの、
数
五千とか
ただ
三とか
(逸らし、同化し、反発し、…する
(のが生であると
(思えなくなってひさしく
霞につつマれた仙界マで行かなくても
あたマはマだマだすてきです
〔ブルっクナー7番、
〔久シぶりにかけた
〔ジょージ・セる+ (そう、ミメーシスを
〔ウぃーンフぃルの1968 (逃れること、
〔年ザルツブルク・ライ (ふるいミメーシス的制度
〔ゔ、美しく、 (の反対側に出れば済むとは、
〔せルはブルっクナー (そう簡単だとは
〔いい、甘くならないで、 (いうまい、デリダに倣って、
〔枯れた甘さ、いい、 (いや、倣うとは、
おしルこ喰わなかったかラ (ミメーシス的行動ではないか、
マラルメはだメなんだよ (だが、「いや、
マルメろみたいな (倣うとは、ミメーシス的
うマそうな名なんだけどねえ
(行動ではないか、」と反省するのも
マだ秩序だったから
(ミメーシス的反省ではないか
しだいに砂漠ルじゃないの
(沈黙、シナイコト
むしろ、わたしが
(沈黙、シナイコト
ベー
とー
べん
べん
むしろ、私が
〔無限テキストで、解釈に
〔まどう、そのために、
〔世界、世間、外界を利用、
〔するのが生ではナイカ、
〔読者ヨ、それでイいノか、
〔わルいのか、読者ヨ、
〔私は、あなたのでも、ワタシのでも、
〔孤立無援であるナ、
〔ナ、読者ヨ。
津軽三味線四重奏曲全集1
2
34567
ぜんぶ聴いてから
竜飛岬行こうと決めてたので
発ったの
上野発の夜行列車
降りた時から
パナソニックのCDプレーヤー
まッシュで
ヒンデミットの交響曲『世界の調和』がんがん
かけて(もちろんわてにしか
聴こえへんけど
ほんでも
やっぱ
世界がヒンデミットしちゃってルようで
えがったよ、んだ、えがった、えがった、えがったよ)
夜行列車の中で
カーるとポッきーを分けてくれた
小室さよこさんと
わかれづラくて
あおもルー、あおもルーと
駅員さんが言う声を聞きながら
「もう少しいっしょにいたいのであります」
「あたくしも。次の転生マで待つなんて、酷ですわ。いっそのこと…」
「いっそのこと…」
「あの…、ね…、そうしマしょうよ」
「そうですね。そうしマしょう。やはり、そういうもんだと思うし、そうすルのが、ここは当然でしょうし」
「ああ、よかったわ。違うお考えだったら、どうしようかと思いマしたの」
「ぼくもですよ。ここで、この瞬間、運命は変わルことになルのですね」
「そう、生マれ変わルのですわ」
「あたラしいぼくが生マれ、あたラしいあなたが生マれ、…」
「世界ぜんたいが刷新されルのですわ」
あとは小説にマかせル、
という責任分担、責任転嫁ができルのがいいとこで
どの時代どのジャンルでも
主流を逸れてればもっともっと自由
小室さよこさんを以来
さよこ
おさよ
さよ
さよちゃん
なんて呼ぶようになル過程も
小説家にまかせておけばいいので
ese詩人はサッと青森駅のヒンデミットへ
もどル
ふりだけでもどル
もどれル
つもりがほんとになル制度樹立、ここ、
記念樹植えて
〔制度樹立はしかし常に反制度派を生む。
〔作者は分裂を内部に生き続ける者であり、
〔作品はけっしてラカン的な意味での鏡像では
〔ありえない。
旅の途中だってのにめんどくさいなァ、だいたい、
まッシュ(Panasonic製CDプレーヤー)の電池なくなっちゃうよ
ヒンデミット切れ
しちゃうよ
交響曲『世界の調和』の次にはちゃあんと
交響曲『画家まチス』と組曲『いとも気高き
幻想』聴こうと思ってたんだから
〔でも、いいの?
〔飽きたら?
〔それじゃ、飽きるかもよ。
〔そしたら?
〔雪の青森駅でヒンデミット倦怠症引き起こし、急逝。
〔享年93。なんて、ちょっとは
〔かっこいいけどね、オスカル・パニッツァみたいでね。
〔でも、悲惨だなあ。わびしいなあ。
〔現実的に言って、寒いよなあ。
〔死ぬ時は、非現実的にいきたいものじゃないの?
…ご心配なく。
ちゃんとね、
持って来てルんだ。
インバるのさ、 おい、閉じてない
ショスタコーヴィチ全集。 括弧あるけど、
『レニングラード』なんて いいの?
ワイアットアープの
拳銃よりサッと取り出せル。
いちおう、ベルグるントの演奏のも ―いいと思うよ。
そう、ボーンマス交響楽団の 使い道、
あれ、EMIのあれ、 あると思う…
すごい緊張感のあれ、
あれも持ってきてルから完璧
完完璧璧、ペキッ
ペキッ、ペキッ、ペキッ、
ペキッ、
「ところで、お名前は?」
〔とあたしはあのとききくべきだったかどうかいまもわからないけどきいてしまったきかずにはおれなかったどうしてもききたかったまるであたしのなよりもたいせつななみたいにおもえてどうしてもこのみみでそれをうけとめこのしたでこのあたしのふたつのくちびるをとおしてまさつさせてふるわせてどうしてもおとにしてみたかったわからないわけなんかわからないけどそうしてみたくてそのなあのひとのなだけはなにかとくべつなものあたしにとってかけがえのないとくべつななのようにおもわれていいえおもわれてなんてそんななまやさしいことじゃなくてもっとせいりてきみたいなことであたしのからだでそのなをかんじたいっておもったといったほうがいいわねそうねそうねそうよねあたしよりあたしであるひとのなせいなるななんかそんなかんじでたえられないかんじがつのってもうだめもうだめきかなきゃきかなきゃあたしぶんかいしちゃいそうたおれちゃいそうっておもってかくごもせずに(かくごなんていまおもえばこっけいないいかただけどあのときはほとんどそのぐらいにしんけんだったのよねやっぱりうんめいのときだったんだとおもうわうんめいががらりとかわるときってああなのだわあんなふうになんでもないことにすごいきんちょうしたりするものなのだわ)まるでときをむかえたものながいじゅんびきかんをすごしてついにうまれでるもののようにかるがるとくちをいいえくちではなくってたましいをほっとはなれてでたのよ「ところでおなまえは?」って〕
ところでおなまえは?
名づけえぬものです
なんてキザというより時代遅れでしょ
タロです
コロです
なんてサッと答えルのが
流行みたいですが
むろんそんなこたえ方
すでに生起してル物語の磁場に媚売って
棹さすことでしかないから
答えたのさ
「それが知りたきゃ、ついといで。
海峡の
波のくラさにゆラゆラと
もまれル鴎のなく声の
あのさびしさの隙々に
ゆルラゆルラとたゆとうて
いルのがおれさ
おれの名さ」
柝の音。舞台まわる。
うらぶれた商家のあつらえ。
さよこ おもえば冬の青森駅で
名をきいたのが恋のはじめ
あれからあたしはあの名愛して
やれいとおしやはずかしや
蕩けるほどの恋の年月
過ごしてきたのもはや幾十年
こども四人に恵まれたものの
あのひとはやがて旅に出て
あのときあたしが邪魔をした
海峡の冬のひとときを
もとめて家にもどらない
つれないひとと
ならしゃったわいなあ
ならしゃったわいなあ
入相の鐘わびしく響く。
予告される トそこへ裏木戸から名づけえぬもの、
固有名詞、普通 からだじゅうに固有名詞や普名詞
名詞 つけ、元気はつらつという顔色で。
きっと
いつかは
きみの
パパも 名づけえぬもの これはマあ、
ただの普通 ひさしぶりに帰ってみれば
名詞 なんだか今昔物語集とか
きみも 宇治拾遺物語にでも
普通名詞 出てきそうなわび住まいのわが家
トマト さよこ、さよこはおラぬか
とか おさよ、さよちゃん、戻ったぞや、
靴下 おマえの名づけえぬものが
とか はルばル北に東に西に
名刺 旅かラ旅の軌道を逸れて
貝 戻ってきたぞや、わが妹や
坊主(中断)
さよこ あの声は!
あ、あの声は!
嬉し、懐かし、切なし、憎し。
あたしをひとりあばら屋に
残して果てのない旅に
このあたり ひとり出かけて突然に
グルックの よくまあ平気な顔をして
「聖霊の踊り」 元気な顔して戻れたわいなあ、
挿入 元気な顔して戻れたわいなあ。
名づけえぬもの マあ、そういうでない。いうでない。
このとおり、達者で
戻ってきたのじゃかラ、
いじけた顔など見せずとも
いいではないか、
な、いいではないか。
ここから
ヘンデルの 名づけえぬもの、さよこをぐいと抱き寄せる。
「クラヴィーア 二三匹、犬の遠吠え。しっぽりと。
組曲ニ単調」
よりサラバンド
挿入
名づけえぬもの さびしい思いをながながと
おマえにさせてきたけれど
それも終わりの時がきた
わが名を名づけえぬものと
呼んで過ごした数十年
もとめもとめてきたわれの
(まるで 究極の名をついに得て
劇だぜ、
これじゃ。 うれしい家路の幕切れと
それも
たったふたり さよこ おなりかいなあ?
だけの 名づけえぬもの おゝともさ、
さびしい おなりあそばしたのさあ。
舞台。
ほら、
よくさ、 さよこ それはそれは、
テレビの おめでとうございます
低予算の おめでとうございます
お笑い番組で おめでとう
やるような ございまする。
お手がるの ―なんていつまでも歌舞伎っぽく
しらけた してるわけにもいかないからね、
あれ。 なにがどうしてどうなったのか、
なさけないったら たら もうそろそろお言いってんだよ。
ありゃしない。 たら あたしもただの言葉だし、
あんなものを ら あんたも言葉、
地球は ら これ読んでるひとだって
宇宙空間に た つきつめりゃ、ただの言葉
放映してるんだから。た 少なくともさ、
お? なんだ? たら 言葉の部分が読むんだからさ、
この「たら」の たら 言ってみりゃ、演じ手も
お 連続は? たら 書き手も読み手もみいんな仲間内でさ、
お それに たら だれも外部になんか出られなくてさ、
お 上じゃあ たら 籠の鳥のあたしたち、
お 「お」が たら それ忘れようと劇やったって、
お 並びやがって。たら やがてしらしらむなしくなって、
お 文字妖怪? たら 弁天小僧さながらに、
お いまどき? たら ばれちゃあ、しょうがねえ、なんて
お だいたい、たら 言いたくもならあさ。
お むかしにだって、 たら
お そんな 名づけえぬもの んなラ、 マあ、 手ばやくいうがな、
お もんいたとは た 長い長いあいだ、こんなふうに
お 聞いてないがな。ら 名づけえぬものと名乗ってきた末に、
おお お、増殖してきた!た ついに、
お さよこ ついに?
お お ら
おおお お 名づけえぬもの おう、ついに、
おお たら
おおおお たら さよこ ついに? ついに?なのかい?
おお お た
おお 名づけえぬもの おうともさ、ついにさ。
お ら
お たら さよこ ついにねえ。
お お たら
お 名づけえぬもの ついにさ。
お ら
おお お たら さよこ よかったねえ、ほんとに。
おおおおおお たら ら どんな名なの?
お たら たら たら
おおおおお 名づけえぬもの それがな…
お お たら ら
おおおお さよこ もったいぶってんじゃないよ。
おおおおお たら はやく聞きたいじゃないか。
おおおおお 名づけえぬもの
おおおおお たらたらた それが…
おおおおおお らたら ら
おおおおおおお カッコ内で語り ちょっと、待ってくれ!
おおおおおおお 始めたのにいつ 助けてくれ!
おおおおおおお の間にか「お」 あの、肩書きがちっと長くて
おおおおおおお や「たら」に追 恐れ入るけど、ぼくがいた
おおおおおおお われてかつては ところが、ほら、ね、
おおおおおおお 自分で低予算の あんなふうに「お」とか、
おおおおおおお テレビ番組のお 「たら」とか、
おおおおおおお 笑いみたいにし 時にはただの「ら」とか、
おおおおおおお らけていると批 「た」とかに奪われちゃってさ、
おおおおおおお 判していた劇的 居場所がなくなっちゃって、
おおおおおおお な場に逃げ込ん 緊急避難というわけ。
おおおおおおお できた言葉の連 べつに低予算のしらけた
おおおおおおお なり おわらいのテレビ番組みたい
おおおおおおお おおおおおおお なんて言葉に
おおおおおおお おおおおおおお 悪意をこめたわけじゃなくてね、
おおおおおおお おおおおおおお だから、そう本気にとらないで
おおおおおおお おおおおおおお もらいたいわけで、 お
おおおおおおお おおおおおおお とにかく、 おお
おおおおおおおおおおおおおおお 受け入れてください。 お
おおおおおおおおおおおおおおお お願いしましうから! お
おおおおおおおおおおおおおおお たいへんなもので! おお
おおおおおおおおおおおおおおお 後生ですから! おおお
おおおおおおおおおおおおおおお おおおおおお
おおおおおおおおおおおおさよこ 後生ですから、って言葉、 お
おおおおおおおおおおおおおおお さすがに、どんなへたな翻訳でも、
おおおおおおおおおおおおおおお 近頃は見なくなってきたわよね。
おおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおお名づけえぬもの 後生ですかラ、なんて言葉は
おおおおおおおおおおおおおおお どうでもいいかラ、 おお お
おおおおおおおおおおおおおおお かくマってやろうじゃないか。お
おおおおおおおおおおおおおおお たしかに、ほラ、見てみろ、お
おおおおおおおおおおおおおおお この「お」とか「たラ」の お
おおおおおおおおおおおおおおお 大量発生はただごとじゃない お
おおおおおおおおおおおおおおお ようだ。おれたちの おお
おおおおおおおおおおおおおおお 役名のマわりが「お」だラけ お
おおおおおおおおおおおおおおお じゃないか! おおお お お
おおおおおおおおおおおおおおお さっきはセリフの下側にも
おおおおおおおおおおおおおおお 入り込んできていたが
おおおおおおおおおおおおおおお どうしたんだろう? こっちの
おおおおおおおおおおおおおおお ほうは止マってルようだが?
おおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおお 入り込んできた言葉さん、ほら、
おおおおおおおおおおおおおおお 「そう本気にとらないで
おおおおおおおおおおおおおおお もらいたいわけで、」って
おおおおおおおおおおおおおおお とこから溢れてきていた…
おおおおおおおおおおおおおおお 言葉はそういうものなのね、
おおおおおおおおおおおおおおお 同じ空間をふたつの
おおおおおおおおおおおおおおお 言葉が占めることはできない
おおおおおおおおおおおおおおお ながら
おおおおおおおおおおおおおおお できないながら
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
言語体学者ヒンデミット先生の
ワンポイント講義
そう。さよこさん、いいとこに気づきましたね。
ある一定の
空間には
言葉は
ひとつしか
存在できない。
という法則があるのです。ただし、これは印刷言語界でのみ厳密に能する法則ですから、特殊論として認識しておきましょう。
もっとも、あるひとつの意味のすみやかな伝達が求められる場合には、言語体はほとんど印刷言語様態に等しくなりますから、この法則は非印刷言語界においてもかなりの程度まで有効になります。
印刷言語、ないしは意味伝達荷重率の高い言語において、一定空間での言語多重存在を可能にするためには、一般的には詩形式が有効とされています。詩形式内部では、言語は形態と反響しあって、みずからの意味を脱却、改変、あるいは破壊することができます。そうした運動は他の言語や、枠組みである形態とふたたび反応しあって、意味の崩壊、喪失、無化をも含み込んだ新たな意味の重層(重層意味ないしは重意味と言語体学では呼ばれます)を生起させます。
どうです?ちょっと難しいかな?でも、ひとことに詩を読むっていうけれど、なかなかすごい作業をしているってことが、これでお分かりでしょう。そういうすごい作業をさせてしまうような詩をつくる詩作者は、これはもう、人間とはいえない人たちとみなすべきです。意味の扱い、無意味の扱い、その上、意味や無意味の器の扱いなどをほとんど一瞬にこなす脳が必要ですからね。
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おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお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おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおわらない
ものなし
ほころびの
見えはじめていた行から(また裏切られるかも、
と思ういっぽうで
つよく)
期待しはじめて
いた
それがついに
起こる!
起こる!
「お」の時代が終わってみれば
終わってみて気づく
紙の白さよ
白さよ
さよこ、どこいった?
こいったら!
こいったら!
たら
たら
たら
たら?
あぶなかった。
さっきは「たら」も異常発生して
「お」の発生で止められたからよかったようなものの
そうじゃなかったら
「たら」時代が続いたかもしれなかったんだからなあ。
「たら」時代が続いたかもしれなかったんだからなあ。
かっこなしで「たら」や「お」を使うと
まだわかんないぞ、どうなるか、
言語癌というやつじゃないかな、これ、
ヒンデミット先生に
いつか聞いてみたいもんだが。
とにかく
「たら」にはたらと封印したし
そうだ、この際だから、
ほかの危険分子にも封印しとこう
これでよし、と。ひと仕事、やっと終わり。そして、ふと
思うのは、ワタシハダレダッタカ?
ワタシハナンダッタカ?
危険な言葉です。
詩はおおく
これらの言葉に息の根を止められて
大根の葉あおあおと
軽井沢の村松宏さんから二年ぶりに届いた
頭骸骨にはハマナスの
てんてん、ふいふい、てんてん
ふい、電信柱が激しくですから
じょうきん、常勤?
じゃなくて、ゾウキンです、zoukin、ちょんぼり
茂った蜥蜴が乗り遅れそう
うさうさうさうさうさ、うさうさうさうさうさうさ、さ曇る
ふつうのはげしくHK2
じゃないです、急拵えでいいから
融通してください
たった一度の暗黒なのに
生き土がぐぐっと盛り上がって
あとはぐがーっと覆う琥珀娘ピンカリン
燐寸毛穴にぶつぶつさして
残虐してくだチョコレート饅頭殺人電話クリーム
でいどぅほ認め
離陸イレブンこそ
峡ヒ!海ン!軽デ!津ミ!ッ色!ト景!
登録食器はつなつパパイヤいやいやいやん、やんやんやん
やんやんやん印ふくらし粉クーポン券従妹で
むんこなのだ!
にゅんこでもあり
ぬんこでもあるギー兄さん
侵して!としつこく支那にせがまれ
ピラミッドトークしたのね
ジャマイカの足首に
蜂須賀小六のアルファロメオを電話炊いて
づるるんづのもうそろそろ
もうそろそろ、参宮橋、はしがみ書店に手袋わすれて、もう、
そろそろ八年、八年、こども生まれてたら八、歳か、はち、さ、い
殺してよかったねとはち子うれしそうにはち男に、
また物語の陥穽が
めらめらめらめらめらめらめら
ラメの
というあさい芸で息つぎをしていてはいけない つくづく
思うのです
ラメの
と書くのはでもけっこう快感で
ラメの
くりかえしちゃう
股
離陸するクリネックス流し台という空言が海で響く平原の断崖に
セルロイドの枠のサングラス落して禿げた
純白の新宿三丁目
ほんだわらシューズがづるんぴっとしても
終始一貫二三棺、棺、棺、木+官、分解すると消滅する
おぞましさも味盲には通じない季節
長姉から愛の便りがごっとりと流れまして
朽ち縄で魔羅しばって
貫入マンゴずるんごぎんごギギ
うギギうギギ、法則させて迂回しますが
急旋回しますが
急転調しますが
いつもじぶんを扱いかねる
冬も終わろうというのに
川のおもては鈍くさびしい
だれも釣りをしていないのか
ほんとうに過去は戻らないのか
むかしの恋を長いこと忘れていたが
きょう急にまたあの人に会いたい
こころの氷が溶けていくようだ
どんなかたちにも到ろうとせず
ただ会うということだけをしたい
感情をどこまで流れるままにするか
どこまで放っておいたらよいか
むずかしいがしだいに平衡はとれる
川のおもての鈍くさびしい
さまを見ていて終わる氷期があった
だれも釣りをしていないのか
風も鈍い色もさびしさも
きょうはひとりで川より受ける
どこへこころを遣るべきだろう
溶けた氷のゆくすえ
変奏1 扱いかねる
冬も終わろうという
川のおもて
だれも いない
過去
むかしの恋
に会いたい
こころ が溶けて
かたち せず
ただ ということ
感情 どこ
どこ
しだいに
鈍くさびしい
終わる氷期
いないのか
風も さびしさ
きょうはひとりで川よ
こころ
ゆく
変奏2 いつも二十日烏賊煉る時分を
終わ蠟樋ウフュな野に
さび誣イオモ手野川鰐ぶくぶくぶく
だ檸檬過去捺していないのか
本島に釣りは戻らないのか
凶の子、イオ長彦とは擦れていたが
むかし灸にあの陰の股に、ア、いたい
ロココの氷が溶けていくだよう
どんなかたたち板に張りつけるの
ただ「アゥ…」という子とだけしたい
感情小床まで流れるママニス・ルカ
ド独楽デフォーてオイ!鱈酔いか
むかしがしだいに平衡る
川ノ尾も手の鈍草、ビシィ!
秋刀魚を未定て畢る氷飢餓あった
だれも釣りを持ってないのか
鈍風もさビシ砂色藻
凶寄川ハイハイ、火取りで受ける
どこへこころころべきべきべき
溶け蛸檻のみずの湯玖珠へ
湯玖珠へ、碧翔経て
青熊山系の中をほそぼそと流れる
かな蛇のようにほそぼそと流れる
山道辿って、秋なら紅葉狂わんばかりの
信念渓谷まで回り道さえして、
嬢が原、脱穀村、杉戸尾、三津塚新地、
尾根に出れば灰帖山脈や出面等山地までたぶん
よく望める蛸無、景勝出季破高原、
過ぎればもう珠紺出等巣村落も近く
年じゅう薄霧して狩樅木の森や林の底知れぬ
静寂、たましいは坐れ、たましいは坐れと
旅人の背は見えぬ手にひかれてゆるりゆるり
遅くなる歩みのはてに、おんななら妊娠し
おとこなら角を生やすという魂溜泉あおく、
ひとりでいれば恐くない山道もっともっと
分け入っておいき、おいき、おいきと
亡くなったじいちゃんもばあちゃんも
並んで手をふっている狂い沢まで
狂い沢まで
合掌九重饅頭、はい、ひょっと!ほっ、ほっ、
森青蛙盛って守る生後三ヵ月の弟を
床に寝かしてそっと裸になると
かならずわかる入門ドイツ語が煮えてくる、くる!
うぐわっ、二日愛覚めかかる合歓木たらたら
カラー版とうぜんでしょ、ASA
フェリックスの問う教護班複雑半月ズロースしちゃって
凶徒で選んでなにがわるいの?
ゴ、6,7,8、11111111111、
どスはジジジジ442は
ありました、靴屋のとなりに原動力し
ローストビーフ半焼き、でも卑、卑、〔臨終です〕
臨終です、な、クリームスジャータと気炎を遅延すれば
胃石状の紅顔一寸法師ハイドロピンは青空で
チチクリ天国ぽらにあん編み出す
また、〔臨終です〕
また、〔臨終です〕
な、ま、チュアな長病みめ、在天せよ
かき曇るココシュカ画集、藍畑になかば埋めて
「ぼく」は十九の青二才のように
東京のかたすみでジンセイ、とつぶやく
臨、終、 抱擁しても覚えがわるくてね、『雪国』の島村は
指が覚えていると女に言ったが、
出色の記憶論じゃないか、雁首が
覚えているよなんて言われて、ほほほと答える
女求めてわたくしのY染色体はある
それだけのためにある、か
学生群の数だけ性器が渋谷をゆれていく
女学生群の数だけ性器が渋谷を濡れていく
どの女陰も地上七十だか八十だか九十だかの高度に
生息していて街を歩くとき男根たちは女陰たちへ
ぴりぴり電波をハッスル、ハッスル、ハッスル
臨終の性器の冷たさよ、海苔でも巻いて
ただの使用済み泌尿器に陥るナカレ
少なくとも生命の車に身を横たえる時には
あの田舎びた安手の金ぴか衣装とワグネリズムを
観念に惹かれる勢州時代、じゃない青春時代の
実用的欲望図鑑の中に溶ける魚を
真の火ではない、と告ゲル
真の火ではない、と告ゲル
鍛冶屋も素来会でストライキビールを浴びるほど飲み
ラフォルグの引用
[ああ、碌でなし。―また五月になったが、
お前は前に言ったことを繰り返すことしか出来ない。
そしてお前は胸を一杯に膨らませて、それでも
胸がはち切れて死ぬということもない。
その碌でなしのお前は、こんなことをしてはならないのを
よく知っているのだ。
ああ、いつか
自然の或る又とない瞬間を逃さずに、
凡てであるとともに唯一である私の歌が
夕方の空に昇って行き、繰り返され、
言うべきことを言うための努力がそれに籠められ、
地面に向かって落ちて来てはまた昇り、
人々の胸に響き、
嗚咽の独唱になり、
また昇って行っては地面に向かって落ちて来るように、
ああ、私の音楽が、
肱を突いてもの悲しげな顔つきをしている
その写真通りに、
十字架に掛けられるように。…
何かもっと別な主題を、
もっと危険で高級なものを見つけなければならない。
我々が住んでいるこのありのままの世界で、
私はもっと危険なのを作ることにしよう。] ―――ここまで
吉田健一訳、ジュール・ラフォルグ作『簡単な臨終』の
引用が続いてきたが、ご覧の通り、
「何かもっと別な主題を、…」からは
われわれのこの詩走『津軽海峡ヒンデミット景色』冒頭の、
冒頭に、冒頭、あの銘にほかならず、すなわちここで
戻るということをする、「われわれ」は、銘に誘われて、
銘に誘われて、
銘に誘われて、
遺書に芽生える若葉、蛾のやわらかい子やさしく群れて、
春の森に、鳴R4宇部市、ではなく、鳴るべし、
ノタシオンでもストリュクチュールでも
Pierre
Boulez
-Notations
-Structures
pour deux pianos
エクスプロザント=フィクスでもなく、
-…explozante-fixe…
ミセス・ヴァンダーヴィルトでもなく、
Paul MacCartney
-Mrs Vandrbilt
ゼア・イズ・ノー・タイムでもなく、
Patti Austin
-There is no time
アイ・マスト・テル・ジーザスでもなく、
Fontella Bass
-I must telle Jesus
ヴァディム・サルマノフの交響曲第2番、鳴るべし、
Vadim Salmanov
-Symphony No.2 in G
Major
第1楽章「森の歌」、鳴るべし、
第2楽章「自然の呼び声」、鳴るべし、
第3楽章「陽の沈むとき」、鳴るべし、
第4楽章「森は歌っている」、鳴るべし、
できれば1966年のエフゲニ・ムラヴィンスキー版で、
Evgeni Mravinsky
レニングラード・フィルのライヴ版で、
鳴るべし、
Leningrad
Philharmonic Orchestra
銘に誘われて、冒頭に帰る、冒頭する津軽海峡
ヒンデミット景色が、いまや
主体であると、まで、は、まだ、いえぬ、
まだ、いわぬ、ダレガ?、いうとか、いわぬとか、
ダレガ?、ダレに?、思考のそれらの網の目は
集まろうとするのか、ダレに?、すべて、なべて、
ダレの追及か、人生は?パティ・オースティンが
イン・マイ・ライフで歌うcueもそれか?こう歌うのだが、
こう、歌うのだが、こう…
In my life there ain’t no melody
In my life there ain’t no harmony
To help me sing a song.
All I need is a cue
Well I’m waiting for you
Here in my life, boy in my life.
You are the melody
‘Cause in my life
You are the song. (Antisia Music,Inc.)
All I need is a cueは真理で
それ以外なにがいるというのか、生という束の間の
水溜りで、世界、世間、外界はみなcueで、
それ以外すべて、私のなかにある、準備はできている、
もっともパティの場合cueはあまりに早過ぎて、
四歳の時、父に連れられて
ダイナ・ワシントンのコンサートに行ったら、
ステージに引っ張り出され
Teach me tonightを歌わせられて
それに終わらず、
舞台の袖にいたサミー・デイヴィス・ジュニアに
すっかり気に入られて
アポロ劇場のショー出演が即決されて歌手生活が
始まったのだし、
ハイスクール卒業後にはハリー・ベラフォンテ
とのツアーにも出かけたのだし、
ルドルフ・シュタイナーのカルマ論を繙くまでもなく、
霊魂はおのれにふさわしい環境と幸運と不幸とを磁力のように
引きつけ引きつけ生まれて生き続けていくのだから
読者よ、あなたの現在の『津軽海峡ヒンデミット景色』読解は
偶然ではなく、生まれ落ちる以前すでにこの読書、読詩は
定められていて、わたくし、とりあえずの作者、編者、言葉取り集め者、駿河昌樹、す、る、が、ま、さ、き、もあなたのために書いておくことを
あなただけのために書き、直し、削除し、補足し、しておくことを
何転生の以前から定められていたわけであって、
今、あなたが
読むまなざしとなり、
読む主体を演じている
今、
すべてはある
じつは、じつに、すべて、今、ある、のだ、わたくしは
死んでおらず、あなただけが生きている
というわけではなく、
あなたに与えられた時代、今日、今、そこで、
駿河昌樹作『津軽海峡ヒンデミット景色』はすでに
日本文学の古典となっている
のは疑いないとしても、
(密かにわたくし、駿河昌樹を
演じている意識がここで書き
つけておくが、駿河が真に詩人
となったのはこの長大な詩走
の少し前に書かれた『反動す
る』においてだった。駿河は
(「」 反動する あの詩によって、日本文学を
すべて超えてしまったのを自
覚し、王たることを隠さなく
なったのである。)
わたしは反動する
すべらかな自転車坂から
陛下の生首拾い取って
鮮血出尽くした
あかるい明日の歌をさみどりの
レヴロン冬鹿の頬ふハふハ
ICずずずんぽっ、はにゅっ
っっと、廃墟に水って
暗い歓びのあたたかさよせば
ばずる時こそりずべるって
ぎずるふぉ、そんなぎずるふぉ
生首すえて消えていく一千年数千年の (」)
反動する わたしは反動する すべらかな
自転車 坂から 陛下の生首拾いとって
鮮血出尽くした あかるい明日の
歌をさみどりの レヴロン冬鹿の頬ふハふハ
ICずずずんぽっ、はにゅっ、 っっと、
廃墟に水って
暗い歓びのあたたかさよせば
ばずる時こそりずべるって
ぎずるふぉ、そんなぎずるふぉ
生首すえて消えていく一千年数千年の
劣民の歴史、業績、遺産
陛下の血の乾いた跡に
置くtwenty-two
hits of the Carpenters
[Porydor;1995.11.10]、炎暑1998年は
[ ]には来ない。陛下永遠に不在し
代行も認めないとすれば、わたしが
王であると隠さないであろう
与えられた量の孤独を過ぎる時、抑えは
きかない
光、みえるとはかぎらないとしても
それが打ち寄せて証すであろう
不在する泉しはしはと、衆なし、衆なし、
うなし麦たくわえる納屋で
やわらかな純白の花嫁衣装を裸体に着て
孤独の燃え残り尽きる数秒、数秒、
干し藁愛していなさい
陛下の血を吸った
干し藁、[ ]の血たっぷりと
炎暑1998年までは
干し藁、濡れ藁
うなし麦つく他はしみ一点なく
しらしら、花嫁衣装、しら、
やわらかで
裸体、数秒、ふるふる、
ふるふる、
ふる、ふるふる
(」)とすることで
引用かつ非引用が発明され
物語しない 世界文学も世界表記界ももはや
ひとよ、 駿河昌樹以前のままではありえない
体系に挿入された (」)とすることで
入れ子細工は さらに「(「)」とし
入れ子細工ではなく (「(「)」)とし
体系が小部屋を
まさに小部屋として
支配するからだが
支配によって
翔部屋し、青い、すなわち、
ひろがる感覚があり、微細に震え続けるものを
友とせよ、慈しみ、労い、みどりの海原のように、
憧れる「見下ろし」として、カセットテープwo
大杉、し、糞玉婦人珠小城閣下のナイトガウンに
海峡をふりむけば白い悲しみまるめ
言語調達班の佐々木君どうしたの、
とんカツとんキ、だったか、トン太だったか、
入れ子細工は縦横に孔をアケラれ、たとえ見えなくても
縦横に孔をアケラれ、たとえ見えなくても
全とつながり、二十日、船出、二十日、船出、電信うけて、
理由のわからないことで、悩んでいるうち
老いぼれてしまうから、
黙りとおした歳月を
ひろい集めて 暖めあおう、もない
もない、ですよ、ですよ、
寒い友だちが訪ねて来過ぎた
何もない春、と
岡本おさみの歌詞をシュルばらフレーズして
辿りつくということ、あるでしょ
あるでしょ、人生には
そんな日、疲れてて、
薄ら寒くて、ひとり、
乾き切って、生命からから、
生命からがら
そんな時って…
あるわね、
からがらして、
なんのために
いきているの、わたし、
あるわね、
からがらして、
記憶が藁のようで、
未来なんて役所書類で、
あるわね、
からがら、して、
しすぎちゃって、音楽、ふいに
天国で
あした、ふいに、
オレンジしちゃって、読まれない
詩みたいに、無もお友達でさぁ、
モンマルトルの裏道みんな、
詩ってたって、死ぬじゃない、記憶
引き継がれないで、死ぬ、じゃない?
からがら、して、
し過ぎちゃって、空、あたしじゃないね、
思い、つよく、愛、むかし、手紙、
出さずに、持って、持ったまま、初雪の、
道、夕暮れて、とぼとぼと、内省して、
心のなかでひとりごちて、そうして心を、
境界づけして、とぼとぼと、馴染んだ発語、
暗い、わたしは。暗い、わたしは、なんて、
なんて暗い、体験が続いているの、ひと、他人、
熟したトマトなら太陽とともにある語、
からがらして、し過ぎちゃって、
暗い、わたし、渡したい、誰に?、笹の舟に
乗せてそっときれいな小川に流せば、いいけど、
いいかどうか、いいな、いいのだろう、いいぞ、
いいと発音せよ、せよ、すべて言葉じゃないかと、
言っても暗いわたしの迷宮にことの他わたしだけ
迷っていると認識すればやはり優先欲かしらね、
べつにいいけど、時計、やわらかい、腐肉、
紙、髪、神、加味して煮る六月饅頭用ペースト、
準備して、廃墟にお供えし、新しく生に踏み出す、
いつも、わたしたちは他者だから、他人だから、
新しく、いつも、新しむものがあって、ちから、
あって、個人の死も滅びも、いいの、どうでも、
他者だから、他人だから、いいの、死んでも、
唐でも、隋でも、清でも、死んでも、雪解けして、
死体累々でも春は来るので、いいの、他人の死ですもの、
他者の不幸ですもの、不幸なんてだいたい、
見方によるじゃない?主観的ッテイウジャナイ?
あたし、わたし、舟、飛鳥、光、ほんだわら、キキ、
無意味に、言葉ならべるひとは貴重で、ちからは、
どこから来るか、繰るか、人間世界の論理では
もうちからを生み出せないところに踏み入った、
たしかに、たしかに、知られなくて、いい、いい、
また、イイしてる、いい、によって出るホルモンが
たぶんあるが、まあ、いい、いい、いい、いい、
色 いいが、なぜ、なおもあなたは生きようとするのか、
の なぜ、進んで死なないのか、もう、死ぬ、べき、
たとえば ではないのか、いい、死ぬ、いい、べき、いい、もう、
の いい、ではないの、いい、か、
挿入 いい、色、色がいる、いい、か、いい、色、
赤い、いや、(歪められる言説。色の無理やりの挿入で、出来上がりかけていた意味の系は崩れ、「色」という語を取り込みつつ、新たな系の創出に向かおうとする言葉たちの涙ぐましい自己組織性は〔)〕青い珊瑚礁を
む い 現実に見たことはなく、 すでにあるもの、
け る 複雑で魚の目の澄んだワイン色に 記憶にあるもの、
と い 小冊子のホチキス取れそうな 外界にあり、その影、
む る 手紙には、総譜と主要都市への、 純に雪崩るまで、
け い 事実がよく示しているような、 薄影のほこら、
と る 文学総務課人事担当松浦さんは、 薄雪、赤ふたたび、
む い 言葉たちほどミラーで、いすらむ でも、お稲荷さんの、
け る 哄笑を電話でとったから、 ネ、あの、赤。
と い ぬる、ぬる、ふる、濃いし、
む る 素手で荻村から抱鳴雅兄きてチョウダイ。ネ、
け い ネ、
と る ネ、
む い ネ、
け る ネ
と 座礁ではない
む 止まらない、意志、あるので、
け 意志に、接着してくる言葉、というわけではなく、
と 要は、と言ってしまわず、わずかな脳内部の運動の、
む 停止に向かう電流に、わずかに、先んじて、あるいは、
け 神経細胞のべつの回路を快速して辿り、わずかに
と 先に、先に、停止へと着いて、停止して、なお進む
む それ自体に成っている、すでに、文学ではなく
け 饗宴は遠くざわめき、風の吹き過ぎる途上、どこか、
と どこでもない、忘れられた春草の新鮮なところ、
む 呼び出されるまで、正当な、いや、正統な勅命で、
正統な?
け 呼び出されるまで、饗宴から離れているのだ、 …危
と いないことになっていて、うれしい、 険
む 人生もあるだろうし、今回それだろうし、 な
け いないことの疲労もあり、饗宴を離れて、 語、
と もう語ることも、しかたも、忘れた、「わたし」と
どう、
む 発語しても無責任に「わたし」と音つくりするだけで、 取り
け 正統を探している魂も、「わたし」とは、
込
と 切れたね、切っていくのだね、生きることも死ぬことも、む、
む 生き変わりすることも、切っていくこと、維持も、 気、
け やがて切らんがための維持、継続も、愛も、癖も、 か
と 慣習も、失われる、 ?
む 最期の一点のために、みんな、みんな、
みんな。
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