ふと思い立ち
休みの日
机まわりを中心に
部屋の整理を
早朝から夕方まで
空気が一変した部屋にいて
あまりの気持ちのよさに
次の休みの日には
さらに整理を
と思う
次にやることは決まっている
他人の言葉を
手紙から本からなにからなにまで
捨てること
あらゆる詩集を
もう昨年までに捨ててしまったように
そうして
自分の言葉も
自分にまつわる言葉も
捨てる
部屋の中のどこをさがしても
自分の履歴も
思い出も
短いメモさえも
見いだせなくなるように
明日処刑されるかのように
身のまわりを
すっかり片付けてしまうこと
あゝなんという
豊かさ
言葉はあまりにしばしば
防壁だから
拒否の緻密な
頑強なねっとりした
壁だから
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