ジャン・ジュネは過去主義者(パセイスト)である。
ジャン‐ポール・サルトル『聖ジュネ』
急に温度がさがって
上着をもう一枚かけたくなる日
わたしは弱い
目のまわるほど厖大な水量の
過去という海から
急に温度がさがって
上着をもう一枚かけたくなる日日に
展開されていた
光景が
シチュエーションが
こころや思いが
夢やあこがれが
よろこびかなしみが
物語のすべてが
一気に押し寄せてくるから
過去を生きてはいけない…
過去にとらわれてはいけない…
インスタント悟り本にあるような
そんな教訓
なんの役にも立たない
わたしは過去
わたしを生きているのは過去
あらためて
そう思い出させられるから
急に温度がさがって
上着をもう一枚かけたくなる日
には
0 件のコメント:
コメントを投稿