三好達治の第三詩集『閒花集』に
虻
詩を書いて世に示す
しかも私は 世評など聞きたくない
この我儘を許し給へ 私は虻のやうに
羽音を残して飛んでいく
とある
(ふふふ
(むふふふ
独特の音とリズムのひと
三好達治は
こんなものを書くときもじつは
shiを書いて世にshiめす
shiかもわたshiは 世評など聞きたくない
この我儘を許shi給へ わたshiは虻のやうに
羽音を残shiて飛んでいく
と
shi音の遊楽を
忘れない
(ふふふ
(むふふふ
話はちょっとかわるが
『閒花集』は
四行詩集で
これを挟む『南窗集』『閒花集』『山果集』みな
四行詩集である
彼の好んだフランシス・ジャムの詩形に
学んだところが多い
と
本人が言っている
これについて阪本越郎は
達治は昭和五年ごろからフランシス・ ジャムの四行詩を諸雑誌に訳出して、 その骨法を会得しようとしたようである。 それまで試みてきた自由詩や散文詩の後に、 わざわざ四行詩という規格にはまった詩を作るには、 なんらかの内的必然性があったはずである。
と書いている
日本の自由詩において
四行詩で行こうというのは
非常な慧眼であろう
とわたしは深く共感するところがある
五行
六行
七行
でもよいだろうか
とにかく
十行
程度までというのが
真に詩らしい詩に
現代日本語の詩がはじめて成りうるか
どうか
が
懸かっている
そんな気がする
(ふふふ
(むふふふ
そういえば
(めったに思い出さないのだが…
『フランシス・ジャム全詩集』を個人で訳出したのは
わたしの親しかった手塚伸一先生だった
三好達治だけでなく
堀口大学や安東次男や大岡信や田辺保や倉田清らの
訳業も集めた『フランシス・ジャム全集』に
加わってもいた
今では岩波文庫に
先生の訳業
ずいぶん入りましたネ
夏の休みの近づく
うだるような暑さのなか
研究室で
当時
バルザック研究に没頭していた
ランボー狂いでロートレアモン狂いのわたしの
おしゃべり相手をしてくださった
時間など
思い出される
(めったに思い出さないのだが……
(ふふふ
(むふふふ
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