年末年始ともなれば
さすがに
ちょっとは時間もできたので
すこしのんびりと
風邪をひいたりしていた
うすい痰が出続け
気管はそれを排出しようとするので
咳が出続けた
とはいえ
ちょっとは時間もできた
年末年始なればこそ
いそいで治そうともせずに
ゆったり
のんびり
風邪をひき続けていた
パブロンだの
ベンザブロックだの
ルルだの
風邪薬のたぐいなどは
飲みはしない
買いにも行かない
なにせ
熱さえ出ないのだ
いくらか
だるかったり
眠かったりはするが
ちょっとは時間もできた
年末年始なればこそ
真っ昼間だって
いざとなれば
寝直してしまうのである
日が暮れてから
目覚め直して
顔を洗い直して
夜景を見たりするなんぞ
なんだか
豪華で
贅沢な人生
って
感じでもある
どこで引いた風邪か
だいたいは
わかってもいる
8度か9度ぐらいの
寒いド田舎を
シャツと夏物ジャケットの上に
ライナーを外した半コートを引っかけただけで
50分ぐらい歩いた時に
やられちまったに
決まっている
真冬でも
電車に乗るような時は
ぶくぶくの厚着になるのを嫌って
薄く着るようにしているが
あそこのド田舎は
さすがに
都心とは違って
ちょっと寒すぎたのだ
それに
痰が出るのだって
考えてみれば
ごくあたりまえの
道理だと思う
毎日起きて
朝の陽光の射す
机の上や
周囲を見まわすと
どんな時でも
うっすら白く
埃が溜まっている
衣類から出る綿埃が主だと思うが
カーテンからも
壁紙からも
きっと
いろいろと出続けているだろう
とにかく
埃というやつだけは
後から
後から
絶望的に出続けてきやがる
これを平気で吸い込んでいるのだから
風邪なんか引くと
気道は敏感になって
そりゃあ
ゴホゴホしたくなる
というものだ
とはいうものの
せっかく
のんびりと
風邪をひいたりしていたのに
年末年始も
過ぎ去っていくとなれば
これまた
律儀なもので
小心なもので
なさけないもので
からだというやつは
ちゃあんと
風邪を脱ぎ捨てていきはじめる
真っ昼間に
寝直したりなんぞできない
多忙な日々に
また
手足をとられてしまう頃になると
ろくに挨拶もせずに
痰も消えていくし
咳も引っ込んでいってしまう
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