洗ったあと
食器籠にしばらく重ねておいた食器が
乾いてきたが
まだ
濡れているところがあるので
もう少し
そのままにしておく
けれども
水が飲みたかったので
ふだん使いのコップだけ取って
濡れているところを
布巾で拭った
その時
激しい感覚に襲われた
濡れているコップを
布巾で拭いて
そこに水を注いで飲む!
―この行為!
これは
わたしのものではない!
わたしにふさわしい行為ではない!
本来わたしは食器を洗ったりしないし
そもそも食器を使用したりしないし
そもそも物を食べたり飲んだりしない!
こういう
激しい感覚だった
この界域に来てから
まわりでなされているいろいろなことを
そうすべき当然のことのように見
いちいち抵抗せずに受け入れ
じぶんでもやってみるようにしてきたが
ふいに稲妻に撃たれるように
いやいや
やはり
これはじぶんのやりかたではない!
わたしのものではない!
わたしにふさわしい行為ではない!
という感覚
いや
覚醒が来る
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