一階からは
大きな窓から三本の道
二階の裏の窓からは
隣りの料理屋やバーが覗ける
そんな
バルセロナの家にいた頃
とうとう結婚はしなかったが
いっしょに
暮らしていたのは
ペネロペ
巨大な栗のような胸の肌は
いつも輝いていて
手をかけて磨い込んだ
黒曜石のような目が
いつも私を見つめていた
どうして
いつも思い浮かぶのが
水差しに使っていた
なんの変哲もない緑の酒瓶なのか
わからない
あまりにいろいろなことが
そして物があり過ぎて
心は勝手に酒瓶に
込めてしまっているのかもしれない
なにもかもを
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