なつかしい咳を
しかし
見たこともない星から受けて
落ちていく
初夏の冬
スマホ魔法
うほうほ
バベルの塔なんか
ふりまわして
いみじきことを
池の
上にあやうく住んでいた
空の大きく見やれた
宇宙に近かった心持ちの四季の幾めぐり
具体性が欠けていると批判してくる人たちには
具体性が欠けていることの旨みに不感症なあわれな人びとよ!
とタピオカじみた憐憫を垂らしてあげよう
なつかしい咳を
じつはながく住んだ星から強奪して
飽かずうつくしげに
まろが桜は咲きにけり
いかでひさしく散らさじ
木のめぐりに帳を立てて
かたびらを上げずは
風もえ吹き寄らじ*
*『源氏物語』、「幻」。匂宮のせりふ。
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