そこの書店は
ずいぶんとレジで待たせられる
列を作って待っている間に
『東京23区×格差と階級』という本の脇を通ったので
しばらく
パラパラ見てしまった
パラパラ見ても
なかなか列が進まないので
パラパラ×3か4ぐらい
見てしまって
本の構成ぐらいはつかんでしまったし
ポイントもつかんでしまった
それにしても
『東京23区×格差と階級』とは
ずいぶん
アラレもない内容をぶちまけたものだな!
と思う
こんなことをモロにぶちまけられても
もう大衆はギュウノネも出せないほど追い詰められ
格差を固定化されて被差別階級にされてしまっているのだな!
と思う
東京とその周縁が格差社会の縮図で
階級差が住む場所や勤め先に歴然と出ているということは
明治時代やさらに江戸時代から住んでいる家柄の人間ならば
誰でも知っている
子供の頃から東京内での地域格差は執拗に教え込まれるはずだから
今さらこんな新書本で明示されなくてもわかりきっている
京都の人は京都こそ現役で差別がバンバンの土地だと
お化け話のノリでよくヒソヒソ話してくるが
なあに
東京ほど差別や階級が露骨に住む場所に出ているところはないんだ
と言ってやる
まったくわかってくれない人が多いが
私は江戸時代からの江戸住まいの家系の出なので
子供の時から都内での差別や格差の存在を教え込まれてきた
もっともなにを教え込まれてもろくに信じず
容易には習得しない性
私個人はそうした差別や格差の存在を思考や行動の規範にはしない
しかも私の祖父は数回事業に大失敗して破産したこともあって
富豪から無一文に一家が転落する経験を家としてはしているため
家柄の秀でた者や裕福な家庭が住んではいけない場所に住んだこと
東京都内での住まい方においては屈折もあって
そうした経験が父母の代を経てさらに屈折を経ながら
私に流れ込んできたこともあって
東京とその周縁の県にどこにどのように住むかで
どれだけ隠微に差別されるか/されないか
どれだけ隠微に格差が露呈するか/それを隠して誤魔化そうとする
などの知識とセンスはほぼ持っていながら
こと自分の身においては実行せず
平気で土地柄のよくないはずのところや
いわゆる人気(じんき)のよくないはずのところにも
住んだり勤めに通ったりしてしまうということをしてきた
昔からの江戸住まいや東京住まいの家柄の人たちの思いでは
だいたいのところは
山の手の中だけが住むべきところであって
それ以降に作られた住宅地は一見高級であろうとも
時代時代の新興成金が住み着いたおぞましいところということにな
高級住宅地でないところはもう話題にするまでもないもので
「あそこが昔なんだったかわからないんだろうねえ・・・」
で済まされてしまう
そりゃあ確かに地方から出てきた人たちにはわからないだろうが
地方出身者はそれだけでもう格下と見られるのだから
「だって地方のひとだっていうからねえ・・・」
で話は包まれて終わってしまう
現代の東京における格差や差別という際には
古くからの江戸っ子だったという優位性はすっかり無視されて
収入の多いものがとにかく上位に立つという
わかりやすいものから自ずと発生してくる効果
のようなものとなっているのだろう
だいたい年収が億単位となれば
住む場所も違ってくるし
いくつか持っている別荘のありようも違ってくるし
家も違ってくれば
つきあう人間も全く違ってくる
乗っている車も違ってくるし
もちろん腕時計も違ってくる
服だって季節にあった最高の布地のものを着るから
冬だったらコートなど羽織る必要もないし
そもそも家を出て目的地まですべて車だからコートは要らない
布地がいいから皺が寄らないし
寄っても吊しておけば翌日には皺がなくなっている
もちろん
書店でレジ待ちの列に並んで
『東京23区×格差と階級』という本になんか
手を伸ばしたりしないし・・・・・・
と考えるうち
ま
このところネット買いばかりで
自分も書店に入って本を買うのは数年ぶりで
ちょっと気まぐれから入ってみたら
Yuval Noah Harariの21Lessons for the 21st Centuryと
翻訳ではもちろん読んで知っている
Robert Anson HeinleinのThe Door into Summerを
買って帰る気になってしまったものだから
こんな馬鹿みたいな行列をするハメになってしまっただけのことで
と考えるうち
そういえば
偶然のことから
ずいぶん本を買う一週間になったものだな
おととい行った大手町のOAZOの丸善でも
目的ではなかったのに
ついでということで書籍をちょっと覗いたら
驚くなかれ
フランスに注文しようとしていた
いま最も注目すべき作家のひとりLaurent BINETのHHhHが
目の前に置かれていたので逡巡なく買うことにしたし
ついでにということで
翻訳をとうの昔に読んだままにしてある
Dumas filsのLa Dame aux caméliasを
これがなんと
GF Frammarion版には小説版も脚本版も載っているというこ
買うことにしたし
Mario Meunier訳の『イーリアス(Homère Iliade)』は
他のよりも自分には性に合っている感じなので
Livre de Poche版を買うことにしてしまったりしたが
と考えるうち
Kindleで本を買うことはあまりしないが
ちょっと試すつもりで
ビジネス書っぽいのも今週買ってみたら
iPad miniのKindleアプリで読んでみると
これがけっこう快適で
主に列車の中で二日で読み終えてしまえたので
どうでもいい系の本は
物理的に家に溜まっていかない電子書籍もいいかもな
と改めて確認したのだった
と考えるうち
と考えるうち
と考えるうち
もちろん
『東京23区×格差と階級』は
どうでもよくなってしまって
棚に戻して
持っているHarariのほうを読み出している
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