内神田の鎌倉橋近くまで
包丁を研いでもらいに行ったが
そこから歩いて帰る途中
ちょうど昼過ぎともなったし
お腹も空いたので
なにか食べて帰ることにした
このあたりでなにか食べようとなると
神田駅のほうまで足を伸ばして
気楽に寿司などつまむことが多いのだが
たまには違うものを食べようと思い
簡素な台湾料理屋で
ルーロー飯というのをはじめて食べてみた
漢字では滷肉飯と書いたり
魯肉飯と書いたりするのらしい
これがけっこう美味かった
豚バラ肉の甘辛い醤油煮込みで
沖縄のラフテーを薄く切ったようにも見える
牛丼よりも味覚的に豪華で
煮込みに八角や五香粉など入ると
ちょっと味に奥行きも出る
台湾では庶民の料理だそうで
ごく普通の簡単な食事だというが
こりゃあ日本の普通の食事には
とても勝ち目はないと思わされた
日本にはなんでもあるようでも
肩肘はらない普通の食べものには
こんなふうに便利でうまいものはない
ラーメンだのカレーだの
天ぷらそばだのカツ丼だのは
どこか「普通」度が欠けているのだ
ルーロー飯のほうがはるかに「普通」で
それでいてはるかにうまい
こりゃあいいものを見つけちゃったな
と今後の楽しみが増えた
ちょっと調べてみると
ルーロー飯の味を調えるのには
醤油と砂糖を基本として
紹興酒やオイスターソースや
ショウガやニンニクや
八角や五香粉や油葱酥を使うという
ショウガやニンニクを除けば
どれも日本の料理に致命的に欠けているもので
特に八角や五香粉などの味は
あまりに日本の味に欠落している
これらの味こそ
好きなんだよなあと思いながら
日本の味のマズシサ
というものを
しみじみと
考え直してみたりする
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