2014年1月29日水曜日

このあいだまでいきていたこころを



こどものころをおもう
せんそうがおわってだいぶたっていたが
せんそうはにどとしてはいけないのだと
おとなたちはだれもがいっていた
よろこんだりかなしんだりおこったりふざけたり
いまとかわらずよのなかはいいかげんだったり
ちゃんとしていたりまじめだったりしていたが
せんそうだけはにどとしてはいけないのだと
おとなたちはだれもがいっていた
あれからずいぶんたったこのごろでは
せんそうぐらいするぞというこえがきこえている
くにというものはせんそうぐらいするんだぞ
せんそうするのがあたりまえのくになんだぞと
たくさんこえがきこえるようになってきた
かんたんにせんそうするとはおもわないけれど
せんそうにちかいことをへいきでやらかすぐらいには
のどもとすぎたということなのだろうな
どうせせんそうにいくんだぜと
わかものがいいだしている
どうせちょうへいせいになるんだぞ
だったらせんとうきにのるのがいいよな
ほへいなんてださいよな
べんきょうのきらいなわかものはいいはじめている
なんじゅうねんもすると
ひとつのくにはがらりとかわってしまう
そこくとかぼこくなんていうけれど
それもきげんつきのもの
なんじゅうねんもたてば
むかんけいのくにかもしれない
さらにさいげつをへれば
てきこくになるかもしれない
ことばがつうじるというていどのことで
こころはもうつうじないかもしれない
かんがえもつうじないかもしれない
せんそうははじまるのかもしれない
はじめはまずこくないで
このあいだまでいきていたこころを
このあいだまでこころをまもっていたかんがえを
おしやっていくことから
ほろぼしていくことから                             
 



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