ふいの事故のように
ふいにまじめなことを言ってしまえば
むずかしすぎる
じぶんを生きることなど
あまりに
どういうことをしている時が
じぶんか
どういうことを思っている時が
じぶんか
なにかしているなら
なにかをしているわけで
その時
じぶんをしているのではない
なにかを思っているなら
なにかを思っているわけで
その時
じぶんを思っているのではない
そもそも
している時や
思っている時は
することや
思うことが
じぶんを覆ってしまっている
じぶんを生きることの
なんという
ありえなさ
そのうえ
じぶん
じぶん
などというものの
じ・ぶ・ん
は
ことば
音
発音
あるいは
文字
それらが
じぶん
であるはずなど
ない
もちろん
仮面や仮装を使い続けて
こんなふうに
じぶん
じぶん
と呼ばねばならない
この世の
しくみとは
なに?
こんなふうな事情だから
わかっている人はわかっている
じぶん
など
どこにもないのを
闇のなか
とりあえず
手元だけ照らす
小さなはかない明かり
じぶんとは
その程度のもの
当座は
手元だけを照らすのに
もちろん便利だが
その程度のもの
ふっと
その小さな明かりを消してみれば
まったくの闇が
すぐによみがえる
その闇は
あたり隈なく領していて
どこまでも続いている
失う心配もないほど
広く大きく
世界などという
限界のあり過ぎることばでは
捉えきれないほどの全
だから
闇になれ
と
万物が言う
森羅万象が勧める
損なわれず
失われない
闇に
じぶんを闇とせよ
闇になれ
と
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