8月15日は聖母マリアの被昇天祭だが
ナポレオンの誕生日でもあれば
ピエール・キュッサブトンの誕生日でもあった
夏にパリにいる時には
いつもピエールの誕生日祝いをしないといけないものだから
夕方ははやめにピエールのところに行って
アンリエットが拵えたご馳走を食べることになっていた
一度パリをみんなで離れて
南仏のほうに夏の旅をしていた時
アルビで8月15日を迎えたことがある
ピエールはどちらかというと節約家で
外食などぼったくりでしかないと言っていたものだが
この夜だけはほんのちょっとましなレストランに行った
みんなでだいぶ飲んだので
レストランを出た時にはいい気持ちにふらふらしていたが
とにかく激しい暑さの夏のアルビなので
周囲のどこを見まわしても中世の町並みの夜のなか
夢か物語のなかに本当にいるかのように思った
2011年に急に心臓が止まって逝ったピエールよ
女性を見ればマダムなどと呼ばずにナナと必ず呼ぶような
お高く止まるどころかつねづねお低く下がる
フランス語の俗語ばかりでぼくにしゃべってくれて
もちろん聴く歌はジョルジュ・ブラッサンスで
地に足の付きすぎたフランス文化を教えてくれたきみに
わが人生の杯を遅ればせに今傾けて感謝をしよう!
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