2020年10月11日日曜日

意味づけもなんの解釈も加えず

 

秋が深まっていくなかで

あゝ秋だ

などと今さらながらに思い直してみる

わざとらしさ

やはり避けたくって

無視を決め込んでみる

のも

わざとらしくて

いやだな

思う


ごくごく若かった頃のように

自意識の魔に

もう

そんなに苛まれてもいないというのに

 

そうして

たゞ

思い出してみていたい

ふと

思ったりする


意味づけも

なんの解釈も加えず


あれは

そう

11月の寒い日

山の地方へ車に乗って出かけて

ホテルでの夕食まで

暗い田野や林のなかの道を走りまわり

誰もいない神社で下りてみて

ひと群れ

ふた群れ

竹の林が風にさわさわ揺れているのを

腕を胸の前で組みながら

なんの意味があるのだろう?

この暗い情景

ぼくらの人生にとって?

などと

思っていた

あの時間のことなどを

 

意味づけも

なんの解釈も加えず

 

たゞ

思い出してみていたい

 

あの

ぼくら

数ヶ月後にふいに崩壊して

二度と

戻らなくなったことについてのあれこれさえ

交えずに

竹の林が風にさわさわ揺れているのを

腕を胸の前で組みながら

 

なんの意味があるのだろう?

この暗い情景

ぼくらの人生にとって?

 

思っていた

あの時間のことなどを

 

意味づけも

なんの解釈も加えず





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