秋が深まっていくなかで
あゝ秋だ
などと今さらながらに思い直してみる
わざとらしさ
を
やはり避けたくって
無視を決め込んでみる
のも
わざとらしくて
いやだな
と
思う
ごくごく若かった頃のように
自意識の魔に
もう
そんなに苛まれてもいないというのに
そうして
たゞ
思い出してみていたい
と
ふと
思ったりする
意味づけも
なんの解釈も加えず
あれは
そう
11月の寒い日
山の地方へ車に乗って出かけて
ホテルでの夕食まで
暗い田野や林のなかの道を走りまわり
誰もいない神社で下りてみて
ひと群れ
ふた群れ
竹の林が風にさわさわ揺れているのを
腕を胸の前で組みながら
なんの意味があるのだろう?
この暗い情景
ぼくらの人生にとって?
などと
思っていた
あの時間のことなどを
意味づけも
なんの解釈も加えず
たゞ
思い出してみていたい
あの
ぼくら
が
数ヶ月後にふいに崩壊して
二度と
戻らなくなったことについてのあれこれさえ
交えずに
竹の林が風にさわさわ揺れているのを
腕を胸の前で組みながら
なんの意味があるのだろう?
この暗い情景
ぼくらの人生にとって?
思っていた
あの時間のことなどを
意味づけも
なんの解釈も加えず
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