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韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が
3日夜に「非常戒厳」を宣布したが
これを受けて
韓国の国会はすみやかに
非常戒厳解除を要求する決議案を可決した
驚くことに
ユン大統領は4日の午前4時半頃
国会の要求を受け入れて非常戒厳を解除すると談話発表
午前5時頃に閣議が開かれて非常戒厳は解除された
奇妙な事態が発生していた
宣布された「非常戒厳」を受けて
戒厳司令官の陸軍大将名で出された「布告令」6事項のうちの1に
国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなどの
一切の政治活動を禁じる
とあったのだから
非常戒厳が宣布された以上
国会が開かれてしまうこと自体が違法である
大統領の今回の唐突な「非常戒厳」宣布の是非とはべつに
大統領権力の行使において
形式上
これは正しいこととは言えない
これを
民主主義の府である国会の勝利
と呼んでしまうのならば
大統領に「非常戒厳」の宣布権を与えている韓国の法に
論理矛盾があることになり
法体系レベルでの重大な瑕疵の存在が疑われる
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ともあれ
大統領権力と国会権力が
このように拮抗する瞬間を目撃できるだけ
韓国の政治空間には
日本の政治空間よりも自由を守りうる可能性がある
日本で
緊急事態宣言が発せられたらどうなるか?
大統領権力に等しいものは内閣権力だが
与党勢力はこれに合流する政党とあわせて圧倒的な数を持つので
国会権力は内閣権力と同一歩調でしか動かず
韓国の議会が今回行ったような
緊急事態宣言解除を要求する決議案は
可決どころか
案の提出さえされない
日本では緊急事態の来る前から
すでに穏やかに
独裁体制が準備されてしまっている
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さて
戒厳司令官の陸軍大将名で出された「布告令」には
先に触れた1事項を含め
次の6事項があった
1 国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、
2 自由民主主義体制を否定し転覆を企てる一切の行為やフェイクニ
3 すべての言論と出版は戒厳司令部の統制を受ける
4 社会の混乱を助長するストライキやサボタージュ、
5 ストライキ中だったり医療現場を離脱したりしたすべての医療関
6 反国家勢力など体制転覆勢力を除く善良な一般国民は、
違反者に対しては、
大統領ユン・ソンニョルの真意はまだ明らかでないが
おそらく
4月10日に投開票が行われた第22代国会議員選挙で大勝し
300議席中の175議席を獲得した
「共に民主党・共に民主連合」の議員たちを
「自由民主主義体制を否定し転覆を企てる」者たちとして
また「フェイクニュース世論の操作、虚偽の扇動」
「戒厳司令官の特別措置権によって令状なしに逮捕、拘禁、
「戒厳法の罰則によって処罰」して
すみやかに国会から追放し
国会で野党が過半数を占める「ねじれ」現象を解消して
保守系与党「国民の力・国民の未来」の優位を
勝ち取ろうとしたものだっただろう
第22代国会議員選挙の結果
「今回の総選挙で尹大統領は国民から審判を受けた」
「各種改革を推進しなければならないが、
などと「朝鮮日報」で書かれていたのを思えば
8ヶ月が過ぎたこの年末には
ユン・ソンニョルは政治的に追い詰められていたと見るべきである
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しかしながら
「非常戒厳」を宣布しておきながら
国会による非常戒厳解除要求決議案の可決を受けて
はい、そうですかと
すぐに
「非常戒厳」を解除してしまうユン・ソンニョルの態度も
かなり異様である
このところ一日も心穏やかな日はなかった
というユン・ソンニョルが
熟慮せずに
誰かに唆されて「非常戒厳」を宣布してしまった
という見方もあり得るだろうが
この「非常戒厳」宣布行為自体が
ひとつの大きなフェイクなのではないか?
この裏で
韓国は国ぐるみでなにを行ったのか?
あるいは
誰にむけてなにを表明したのか?
むしろ
そちらのほうを考えてしまう
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