ひさしぶりに
雨は蕭蕭
ひさしぶりに
秋は蕭蕭
ちょっと
さびしい雨といえば
バルバラの「ナントに雨が降る」を思い出し
あの出だし
Il pleut sur Nantes
Donne-moi la main
Le ciel de Nantes
Rend mon cœur chagrin
雨が降ってるわね ナントに
手を貸してね わたしに
ナントの空
わたしのこころを悲しくさせる
が
唇に浮かぶけれど
https://www.youtube.com/watch?
それは
それとして
やはり
浮かぶヴェルレーヌ
例のあれ
「巷に雨の降るごとく
わが心にもなみだ降る」*
という
あれ
堀口大學の名訳があったけれど
あらためて
読み直してみると
古びちゃったな
古びちゃったな
巷に雨の降るごとく
われの心に涙ふる。
かくも心ににじみ入る
この悲しみは何やらん?
やるせなき心のために
おお、雨の歌よ!
やさしき雨の響きは
地上にも屋上にも!
消えも入りなん心の奥に
ゆえなきに雨は涙す。
何事ぞ! 裏切りもなきにあらずや?
この喪そのゆえの知られず。
ゆえしれぬかなしみぞ
げにこよなくも堪えがたし。
恋もなく恨みもなきに
わが心かくもかなし。
いまどき
これだと
さすがに
古びちゃったな
古びちゃったな
で
自分用に
今夜の雨の蕭蕭ぶりに
あわせてひとり
試し訳
こころにはなみだ降っていて
街には雨が降っていて
やるせなくって滅入ってて
こころすっかり濡れきって
雨音ばかりはやさしくて
地にも屋根にもやさしくて
こころはちょっとうるおって
雨は歌ってくれていて
わけもないのに泣けてきて
こころはくたびれ果てていて
裏切りだってあったよな
なんだか葬式気分です
おかしいほどに苦しくて
どうしてなんだかわからない
恋してもいず憎んでも
ないのにこんなに苦しくて
ちょっと
中也さんふうかも
ね
あくまで
試訳
蕭蕭と
試訳
決定版は
専門家さんに
任せます
*Il pleure dans mon cœur…
Paul Verlaine
Il pleure dans mon cœur
Comme il pleut sur la ville ;
Quelle est cette langueur
Qui pénètre mon cœur ?
Ô bruit doux de la pluie
Par terre et sur les toits !
Pour un cœur qui s’ennuie,
Ô le chant de la pluie !
Il pleure sans raison
Dans ce cœur qui s’écœure.
Quoi ! nulle trahison ?…
Ce deuil est sans raison.
C’est bien la pire peine
De ne savoir pourquoi
Sans amour et sans haine
Mon cœur a tant de peine !
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