死んだひとと生きているひとはまったく同じだから
死はどうでもよい
砂糖菓子のなかでも
ずいぶん大きな城のようなかたちのものを
食べろ
食べろ
と言われるものだから
ほぼ4日がかりで
食べ終えた
メールが来たが講読しているアメリカの経済誌からで
来月の祝日にある
未来経済フォーラムへの出欠を確認したい
とのこと
南洋のなんとかいう島で
その日は
ジェーンと泳いでいるはずだから
欠
だな
欠
いい加減
思考を捨てないといけない
感情は捨てたから
クラゲのように21世紀をプカプカしているが
思考は
やっかい
すぐに納豆の糸のように繁茂し出す
概念を捨て切るところから
攻めるべきか
それとも
摩訶止観かな?
ある夏
全裸になって大きなお堂で
三時間半
禅をしていた
蝉の声が
轟音となり宇宙そのものとなって
悟りの幻想を
思考のひとつに帯びさせた
わかってるぞ
こうして
おまえたちは禅者を
つまずかせるのだ
陥らせるのだ
首の生まれ
つつつつと伝って落ち
肩から胸に流れ
腹に滑り
股に下っていく汗の玉になって
わたしは
まわりの夏世界を見まわしてみた
みどり濃く鮮やかにして
吹かない風が
本質的な風となって
わたし
と呼びならわした肉体を吹き抜けていった
ああ
世界はこんなにも普通で
なにごともなく
異常だ
また
次の汗
次の汗
となり続けて
わたしはわたしという語を保持しながらも
わたしでなかった
わかってるぞ
意識という
魔よ
何々でない
何々である
と
論理をくるくる閃かして
裏表し続け
官界からの情報をさんざんまぶし続けて
罠をどこまでも
仕掛けてくれようという
サービス過剰の
お見事さよ!
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