2025年10月9日木曜日

わかってるぞ

 

 

 

死んだひとと生きているひとはまったく同じだから

死はどうでもよい

 

砂糖菓子のなかでも

ずいぶん大きな城のようなかたちのものを

食べろ

食べろ

と言われるものだから

ほぼ4日がかりで

食べ終えた

 

メールが来たが講読しているアメリカの経済誌からで

来月の祝日にある

未来経済フォーラムへの出欠を確認したい

とのこと

 

南洋のなんとかいう島で

その日は

ジェーンと泳いでいるはずだから

だな

 

 

いい加減

思考を捨てないといけない

感情は捨てたから

クラゲのように21世紀をプカプカしているが

思考は

やっかい

すぐに納豆の糸のように繁茂し出す

 

概念を捨て切るところから

攻めるべきか

それとも

摩訶止観かな?

 

ある夏

全裸になって大きなお堂で

三時間半

禅をしていた

 

蝉の声が

轟音となり宇宙そのものとなって

悟りの幻想を

思考のひとつに帯びさせた

 

わかってるぞ

こうして

おまえたちは禅者を

つまずかせるのだ

陥らせるのだ

 

首の生まれ

つつつつと伝って落ち

肩から胸に流れ

腹に滑り

股に下っていく汗の玉になって

わたしは

まわりの夏世界を見まわしてみた

 

みどり濃く鮮やかにして

吹かない風が

本質的な風となって

わたし

と呼びならわした肉体を吹き抜けていった

 

ああ

世界はこんなにも普通で

なにごともなく

異常だ

 

また

次の汗

次の汗

となり続けて

わたしはわたしという語を保持しながらも

わたしでなかった

 

わかってるぞ

意識という

魔よ

 

何々でない

何々である

論理をくるくる閃かして

裏表し続け

官界からの情報をさんざんまぶし続けて

罠をどこまでも

仕掛けてくれようという

サービス過剰の

お見事さよ!

 

 





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