ノドグロが
うまく焼かれて
うまそうだった
ノドグロという魚は
アカムツのことだそうだ
深海魚だそうだ
油が乗っている
ならば
うまく焼いたら
そりゃあ
うまいだろう
ふいのことだが
アカムツと聞いて
ムクという音に思いが飛び
椋鳩十
のことを
思い出した
動物文学の代表作家で
子どもの頃
ずいぶん勧められた
『大造じいさんとガン』とか
『片耳の大鹿』とか
『孤島の野犬』とか
『大空に生きる』とか
あったなあ
いっぱいあって
全部は読めなかった
動物文学といえば
戸川幸夫という作家もいた
『高安犬物語』とか
『牙王物語』とか
あったなあ
この人の本も
いっぱいあって
読み切れなかった
動物は好きだったけれど
動物文学ばかり
読んでいるわけにもいかない
やけにいっぱいある
アイザック・アシモフばかり
読んでいられなかったように
多すぎて多すぎて
SF小説ばかり読んでは
いられなかったように
ホームズやルパンや明智小五郎を
ほとんど読んでしまったのは
多いには多かったが
それでも手頃な量だったから
それになんといっても
スリルとサスペンス
っていうやつだったから
椋鳩十も
戸川幸夫も
こちらが成長するにつれ
いつのまにか
視野から遠ざかっていった
いまではまわりで
口にする人さえいない
一時代の流行作家
やけに評価された作家
永遠ならず
大人の世界なら誰だろう?
立原正秋ですか?
庄司薫ですか?
渡辺淳一ですか?
吉川英治もでしょうか?
柴田錬三郎の人気ぶりを
いまの若者は想像できるのかな?
『木枯らし紋次郎』の
笹沢佐保一色だった時代もあったねえ
司馬遼太郎でさえ
だんだんと廃れてきたけれど
池波正太郎は
まだまだ人気があるそうな?
松本清張も
なかなか続くねえ
調べたら
椋鳩十の『大造じいさんとガン』は
いまでも小学生の教科書に載っているそうな
そこらを歩いている子に問えば
椋鳩十の名で
ちょっとコミュニケーション
できるってことか
椋鳩十
ムツハトジュウ
アカムツハトジュウ……
意味もなき
ことば遊びに
秋雨かな
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