若いうちは
年上の者がみな敵にみえる
古いもの
既成のもの
それにしがみついて
籠城しているものたちと
戦っている
という思いが
力となる
なにか
価値のある変化を
推進している気にも
なる
奇妙なもので
いつか
攻撃される側になっている
古いもの
既成のもの
それにしがみついて
籠城しているものとして
矛先を向けられている
人生
歳をとっていくのは
まこと
奇妙なもの
いつのまにか
用済みの代表格になっており
いつのまにか
人類の敵になっており
いつのまにか
かさぶたになっている
はやく剥がれ落ちていくのを
待たれている
しかし
それはわたしの体験ではない
古いもの
既成のもの
それにしがみついて
籠城しているものたちから
学ぼうとだけ
してきた
わたしは攻撃しなかったし
攻撃されかねない姿を
世の中に
晒してもいない
保持してもいない
若さや
歳の重ねに伴う
扱われ方の変化は
わたしには
なんの関わりもない
むかしも
今も
たぶん未来も
いわば隠密の者
透明人間の
まま
いなかったし
いないし
いないであろう
不在者
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