2014年2月16日日曜日

これが雪ということかと



雪のむこうを見ても
降り下ってくるのを見上げても
積もったものを見降ろしても
見たいと思っているものなどは
見えるわけでもない

垣間見えさえせず
だから
雪についてなにごとであれ
思うのはやめる
すぐにやめる

電波を受ける機械を点けると
だれもが
雪、雪、雪、と
発音し続けていて
いくつかの定型の語りが
あまりに多くの人らによって
飽きもせず反復されている
それらの発音の連続も
なおのこと
なにを見せてくれるわけでもない

そうして
けっきょく雪のない部屋に
籠るでもなく籠り
あれこれに
しずかに気を散らしながら
しかし
ときにはひとつの懸案に
集中してみながら
時を暮らし
これが雪ということか
と得心したり
しなかったり

曇った窓を
たまに指でこすって外を覗き
これも雪ということか
と思ったり
やはり
得心はしなかったり




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