2015年8月6日木曜日

髪振り乱すことから教え直そう

  

黒い憧れも霧のように失せ
剣の赤い柄
迷いと名づけた長女が
期待と名づけた末女を抱いて
幾何学文様庭園を真直ぐに午餐に来る
飽きることの許されないこの城で
固く靴紐は結ぶ
やはり鮮やかな色は要るか
しかし褪色の様を思いながら
川遊びするように選ぶ憂い
物憂げに響くのを嫌うから食卓の鈴を
すずやかに振るのだが
それも仮面の上塗りだったかもしれない
行く
行く
とうねり上がってくる衝動が
城に不似合いな私をふいに作るだろう
長女と末女の名を替え
髪振り乱すことから教え直そう




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