2019年5月14日火曜日

そうかもしれない そうでないかもしれない


  
詩は個人のこころを歌うものだろうか?
それともあえて歌わないものだろうか?

詩は世の中の矛盾や悲惨や無数の問題を扱うものだろうか?
それともそれらについて黙して語らぬほうがいいのだろうか?

詩は美辞麗句を刷新して披露するべき場だろうか?
それとも美学どころか醜学をこそ極めるべきところだろうか?

詩は興味もないほかの人の思いや生活のとりわけ些細なこまごまや
あるいは小説ほどにはしっかり作られてもいないどうでもいい作り話を
しかたなく数十行ほど読まされる
そんな場でしかないのだろうか?
それともそんなものをすっかり削ぎ落としたことばの結晶だろうか

こんなことばかりに
いつまでも思い悩んでしまうので
詩に接する時には
思いも心もいちどとして安らいだことがない
どうしても
できない

詩はわたくしの思いや心を憩わせてくれるものではないのだろうか
そうでないならば
わたくしはどこにそれを求めたらいいのだろう?

そう思いながら
憩いと
やすらぎと
よろこびと
おいしい哀しさも混じった
静寂のことばを求めて
さまよい続けていくよ 
わたくしは

そんなさまよい
そのものが
かもしれない
ちょっと思うが

そうかもしれない
そうでないかもしれない




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