2020年2月24日月曜日

きっと見る




浅い春となって
この頃は
空のうつくしいことが多い

夕暮れなど
得も言われぬ色のグラデーションが南から西の空にひろがり
いかにも現代人らしく
というか現代人めかして
いやいや(わたしの場合は)現代人のふりをして
そそくさスマホを持ち出してきて写真を撮ってみるが
目で見はるかすほどのうつくしさは
写真には写しとれない

ま、いっか…
見たものは見たのである

執着もなしに
見続ける
色の
グラデーション

見たものは
死にゆく時にも持って行ける
と思っている
スマホ写真は持って行けないけどね

持っていけなくても
写真を撮ってみた
という
経験
これだって
きっと
持って行ける

持って行けなくたって
いいんだ

写真も
経験も
流れ去る時とともに
思い思いの界へ
飛び立って行け!

うつくしい春が
ことしも
打ち寄せてきている

夕暮れ空の
得も言われぬ色のグラデーションを
おとといも見て
きのうも見て
きょうも見る
あしたもたぶん見る
きっと見る




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