東の空が明るくなってきていても
まだ
暗さがあちこちに染みている
異界の領している
頃に
眠りという真の覚醒から意識が身を引き離して此界に戻ってくる
あの言いようのないさびしさ
死そのもののはかなさ
たよりなさ
せつなさ
おそろしさは
なんだろう
子どもの頃から
たびたび感じてきたこのことが
さっき
明け方に目覚めた際にようやくすこしわかった気がする
眠りという真の覚醒の領域にこそ
じぶんにとってのいっそうのじぶんがあるので
それを離れて此界に戻ってきてしまうのが
さびしく
はかなく
たよりなく
せつなく
おそろしいのだと
あゝ どんなに心ぼそく
おそろしかっただろう
眠りという真の覚醒の中のやすらぎからもぎ取られ
時間と空間の柵をべったりと押しつけられて
霊としての障害者とされてしまうあの時
出生という
禍々しい瞬間は
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