2020年5月11日月曜日

をわをわ


  
五月も連休を過ぎれば
街のなかにも地下商店街のなかにも家のなかにも
じつはいつも浸透している自然が
巨大な虫の内臓のようにうごうごとはげしく動き出してくる

あそこに浮かびながらすこしずつ流れていく雲塊は
巨大虫である自然の夢かもしれない
うわうわと表現したらいいのか
あうあうとか
をわをわとかのほうがいいのか
ぐんぐん底上げして温度が上がってくる初夏だ
ぼくはいつも思う
じつは夏こそこの世界の主体で主語で
ぼくら生きものなんてその御神輿を支える細胞に過ぎないって

をわをわ
っていうのは夏が夏になっていく時の圧力の
けっこう近いいい表現になっているかな
これから
ことしだって
をわをわ
夏という主体が勃勃と膨らんできているぞ




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