2020年5月20日水曜日

ジャネットとは、ちゃんと話したこと、あったかい?


  
それにしても安倍晋三の顔の劣化が凄まじい
老いるというのはああいうものかと思う
内容のある男が老いてげっそりしていくのはなかなか味があるものだが
内容のまるでない男が老いていく顔というのは惨めなものである
べつに取り立てて安倍晋三が嫌いなわけでもなかったのだが
経済政策でダメ過ぎた首相というのは藪医者よりタチが悪い
首相をやめたら国民は家に石を投げに行ってやるべきだと思う
役職から解かれた後にいよいよ恐ろしい国であってもらいたいと切に願う
報復や怨念だけが未来を明るくしていくのを忘れてはいけない

…と、ここまで書いてから
わたくしは桜田能里子から送られてきた数種の薔薇を
ゆっくり時間をかけて眺め直してみた。
アートリークローズ、チェリーアヴァランチェ、バンビーナスポット、
ピースオブマイハート、センテッドジュエル、ジュリアである。
村岡忠に任せてある10ヘクタール近いわたしの農園で
どこにこれらを植えようかと少し思い迷いながら、
午後の静かなひとりの時間が、夕暮れへと色を深めていくのを
分厚いオークの木材で作った作業テーブルに寄りながら、
これら、ひとつひとつを見つけていた。

電話が鳴った。
出ると、満村ゆかで、今夜会えないか、と言う。
わたくしは桜田からの薔薇の香りにすこし酔ったような気になりながら、
今夜は人がいるから…、とちょっと小声で答えた。
満村は、あゝ、ジャネットが来ているのね、と訳知りな声で言うと、
じゃあ、あさってならどうかしら?、とサッと切り替えた。
そうだね、あさってなら…、と言いながら、
ジャネットなどという女をわたくしは知らないのだから、満村はいったい、
どの男とわたくしとを混同しているのだろう、と考えた。
考えてもわかりようもないし、どうでもいいことでもあるから、
すぐに「ジャネット」のことは放棄しようとしたが、
そうだ、この「ジャネット」を、わたくしにとって、ことのほか
重要な女ででもあるかのように、満村に対して用いてみようか、と
思いつき、電話口で言い足してみた。
「そういえば、ジャネットとは、ちゃんと話したこと、あったかい?」




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