2022年4月27日水曜日

魚にはなにかがある

 

 

もう7年や8年ほど前になるのか

体調がわるくもないのに

急に痛風になったことがあって

脚を引き摺るように医者に行って

血液検査したことがあった

 

きっと

いい医者だったのだろう

クセになってしまうから薬は出さない

と言って

レントゲンだけ撮って

様子を把握し

時間が経てば退くはずだ

と診断してくれた

 

実際

数日経つと足の親指の関節の腫れは退いて

その後は問題がなくなった

ビールの飲み過ぎや

レバーや焼き鳥の食べ過ぎなどが原因だと

よく言われるが

けっこう心理的なストレスも原因だし

運動のし過ぎもてきめんに来る

と聞かされて

そう言われてみれば

過度のストレスだらけの十何年だったし

数日前には雨の中をジョギングしてきたし

などと

いろいろ思い当たった

 

後になって

あれこれ考えて思い当ったのは

肉を食べ過ぎていたことも

きっと理由のひとつだろうということ

 

タンパク質を多めにとろうと

毎日のように鶏の胸肉を300グラム以上食べていたが

これはわたしにはよくなかったのだろう

そう思い到った

だいたい

ロクな鶏肉を食べてきていたわけでもない

飼料にはホルモン剤や農薬がいっぱいなはずで

それらもいっしょに摂取している

その頃は

福島原発の放射能汚染水流出を極度に警戒して

日本付近の魚は食べまいと決めていたので

タンパク質摂取のためとなると

自然に鶏肉が増えてしまっていたのだ

 

数年後にもう一度

突然の痛風に見舞われ

それがパリに発つ直前だったので

大いにマイッた

明日の早朝に重いスーツケースを引っぱって発たねば

という前日

キャンセルしようかと本気で悩んだが

脚を引き摺りながらのパリも

一生の思い出になるか

と酔狂な決意をして

出発してしまった

 

結果的には

飛行機に乗っている間に全快してしまって

パリではなんの問題もなく

縦横に歩きまわった

ほうぼうで美食する旅でもあったのに

ぶりっ返しはまったくなかった

 

しかし

帰国してからは

ふだんの食事では

いっさいの肉食を断つことに決めた

ホルモン剤や農薬いっぱいの鶏肉はもう食べない

前からマズイマズイと思っていた牛肉も食べない

かわりに

安めのイワシや

サバや

ブリなど

青魚を主に食べることにした

 

数ヶ月してから感じてきたのは

体調がすごくよくなってきたことだった

加齢のせいかと思っていた

からだの重さや

だるさや

アタマのぼんやり感などが

きれいに消えて

からだが軽くなったし

疲れにくくなった

数歳から十歳ぐらいは若返ったように感じた

 

以後

ずっと

安い魚を食べるのを中心にして来ているが

肉を毎日食べていた頃より

はっきりと

体調も気分もいい

 

この頃

だんだんと確信に近くなってきているのだが

魚にはなにかがある

魚を食べることにはなにか秘密がある

肉ではダメで

魚でなければならない

たぶん

菜食や穀物食でもダメで

魚なのだ

 

そういう気がする

 





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