2022年10月4日火曜日

国立劇場の国立劇場らしさってものが

 

 

改築を控えて

国立劇場が閉まってしまう

というので

それじゃあ

その前に

行っておこうかな

近い月の公演計画を見てみたら

ガッカリした

 

バカにしくさってんのか?

こいつら?

 

通し狂言「義経千本桜」をやる

というのを見たら

初段も五段目も抜かして

ニ段目・三段目・四段目だけで

「通し狂言」だとか言ってやんの!

ぜんぜん通し狂言じゃないじゃん!

ふつうなら

ふた月かけて

しっかりすべての段を進めていくのが

国立劇場の流儀だったのに

 

しかも

十月ひと月の公演を

Aプロ

Bプロ

Cプロ

に分けて

べつべつの日に見に来いや

料金は一等席12000円ずついただきやっせ

ABCぜんぶみれば

36000円でっせ

と来やがる

 

各プログラムが見られるのは

それぞれ11回のみ

これじゃあ

三つ見たくても

都合のつく日があわない

という人だって

多く出る

 

十一月は

「仮名手本忠臣蔵」をやるというから

ほほう…

と思ったら

五段目と六段目だけ

さすがに「通し狂言」とは銘打っていないが

申し訳なさを誤魔化そうと

春風亭小朝を呼んで

落語を添えちゃっていたりする

 

歌舞伎座のほうの

團十郎襲名に力も人も取られちゃってのことだろうが

こりゃあ

国立劇場

みごとに崩壊だね

国立劇場の

国立劇場らしさってものが

 

年の終わりの

十月や

十一月や

十二月

国立劇場で通し狂言を

全段

長々とつき合って見ていくというのは

昭和からの

ニッポンの風情のひとつであった

最後には

最後らしく

しっかりと長い劇を

いくつも

まさに通し狂言してもらわないと

 

みごとに崩壊だね

国立劇場の

国立劇場らしさってものが







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