よっぽど不幸だったんだな
と
過去のじぶんを
ちら
ちら
断片的に思い出す時が
よくある
この人生以前の
遠く
幾重にも
層を成した過去の
じぶん
どしゃぶりの田舎道を
歩き続けている
鮮烈な記憶がある
雪原で
ひとりで
すっかり方途を失っている
これも
忘れようもない
記憶も
古く
巨大な城に
たったひとりで住み続け
暮れ方
明かりもなしに
廊下から
べつの廊下へ
辿っていく記憶も
幾層も堆積しているので
不幸の濃霧の
度合いが違う気がする
いまでも
意識が外にむかうのを反転させて
じぶんへと振り向けると
壮絶な寒気のなかに
全身が陥って行くのを感じる
じぶん自身が
寒い
寒い
真っ暗闇
今生も
生きてきた意識は同じ
けれど
陽にも当たった
暖かい風にも
吹かれた
少しはべつの層を
重ねられた
…でも
もう今生もやめよう
そろそろ
しにどき
ぐっどばい
言いやるべき人なんて
やっぱりひとりもいなかったけれど
ぐっどばい
もう飽きちゃった
この国この時代このじぶんこの体この環境この…
あ
漢字で書くのを忘れたな
しにどき
詩にどき
にでも
しておくかな
詩ておくかな
0 件のコメント:
コメントを投稿