たとえば私が花という…
ステファヌ・マラルメ
わたしの胸のどこかに
その小鳥が住んでなどいないのだけは
よく知っている
その小鳥が見えないのも
知っているし
その小鳥
が
たゞの束の間の言葉
でしかないのも
知っている
この書きとめの二行目で
わたし自身が
その小鳥
と表記しただけなのも
知っているし
そうしなければ
その小鳥
など
誰の想念にも浮かばなかったのも
知っている
けれど
二行目で表記した以上
その小鳥
は
想念として
居ることになって
もう
誰にも消せず
無視もできないのも
知っている
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