2017年7月28日金曜日

だから さようなら と言う必要もない


 
ひとを静かにさせるような
芸術作品は
みな
世界へのわかれの表現

じぶんが世界の外に居続けたのか
それとも
少しは世界の中だったのか
世界に参加したのか
世界そのものだったのか

そんなことの
最期の確認

辞世
でないような
芸術というものは
ない

ぼくのことについて
ちょっと言えば
たったの
一度も
世界に参加したことはない

この地上世界は
どんな時も
ぼくには
他人の祭だった

だから
さようなら
言う必要もない

一度も
会ったことさえ
なかったから

存在したことなど
なかったし

いまも
存在
していないから



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