Je est multiple.
Montaigne
主体は
ラテン語では
subjectumというが
これは
物の下にあり続けるものをいう
このことから
変化に抵抗するもの
という属性が付与されることになる
とはいえ
人間の主体は
たえざる変化や変質を続ける
モンテーニュは
うまく言ったものだ
Je est multiple
フランス語の
ふつうの動詞活用も無視して
まるで
20世紀の詩のように
「私なるものは複数者だ」
と訳して
伝わるのか
「私なるものはいろいろな人間でいっぱいだ」
ぐらいに言ったほうがいいのか
「私は大勢」
程度で伝わるのか
イエスに
名を尋ねられた悪霊は
我が名はレギオン
大勢いるゆえに
と答えるが
モンテーニュは
もちろん
これを下敷きにしているだろう
しかし
私たちの数が多い
のではなく
私=多数であり
私ひとりがすでに多数なのだ
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