もう抽出しない

人生の意味…、とか

こんなことやってたって意味が…、とか

この先はおわかりでしょ

ほそぼそと

寒々と

縹渺と

していくばかり

寒いよねえ

こころ

ひとりだよねえ

どんどん

あるとき

わたしは思った

意味は抽出した後の筋だけど

抽出する前の

ごたごた混みあい

絡みあっているものの側に

居続けようと

意味を考えると

たちまち寒くなるから

意味をいくらでも作り出せる

出来事のごたごたの側に

居続けようと

だから人生の意味など

もう

わたしは抽出しない

わたしは意味の側にでなく

人生の側にどっぷり浸かり続ける

起こったことのすべて

起こらなかったけれど起こりそうだったすべて

思ったことのすべて

感じたか感じなかったかの

微妙なすべて

あれでよかったか

よくなかったのか

ああでもあり

こうでもあり

ああでもなくこうでもない

すべて

それらすべてがわたし

もう

抽出しない