楓の鉢の根もとに
カタバミの黄色い花が咲いていたようだったので
夜になってから
もう一度確かめようと
懐中電灯のあかりを当てて見てみると
傘をきれいに畳んだように花は閉じ
葉もパラソルを閉じたようになっていた
そうだ、カタバミは
夜は閉じてしまうのだった
と
少年時代の遠い記憶を蘇らせ
明日の朝
いつ頃に葉も花も開き出すのだろう
と
わくわくしてきた
小さなことだが
けっこう大きなわくわくで
じぶんとこの世とのつき合いの勘どころが
本当はどこにあったか
また
確かめ直した
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